2012年2月29日

負けてもいい試合だったけど、このメンバーでやったなら勝たなきゃだめだ



既にW杯最終予選進出を決めている日本にとって、
今回のウズベキスタン戦は言わば消化試合。

宮市の代表初招集に注目が集まったものの、
新しい事を試すといった様子はこれっぽっちもなく、
海外でプレーしている選手を多く招集して、
現在組めるベストメンバーで試合に臨んできたね。

対するウズベキスタンは、主力6人が不在ということやから、
実力の差は歴然…なはずなんやけど、結果はその通りにはならなかったね。


日本01ウズベキスタン


立ち上がりから、アウェイのウズベキスタンが積極的に前に出てきたこともあって、
ビルドアップに手こずっている印象やったけど、
前半10分ぐらいから日本がボールを支配する時間が増え、
岡崎のクロスバーを叩いたシュートをはじめ、ゴールに迫る場面が多かったね。

そんな前半で特に印象に残ったのは香川かな。

ドイツからの長距離移動の疲れが心配されたけど、
あの、ワンタッチでクイックイッと小刻みに進行方向を変えるタッチは、
この試合でピッチに立っていた22人の中で群を抜いて上手かった。

得点こそ無かったけど、前半の日本の攻撃は期待の持てるものやったと思う。



ただ、ディフェンスに関しては、前半から綻びが目立っていた。

この試合の日本は、積極的に前から行こうという作戦だったのか、
いつもよりDFラインが高めだったけど、これがあまり機能せず、
逆にCBが簡単に前に吊りだされてしまっていた。

これによって、被カウンターからピンチを迎えるシーンが多くて、
結果的に後半の失点に繋がってしまったのかなと思う。



前半の感じで攻撃できてたら、同点、逆転といけるチャンスもあったと思うけど、
後半ほとんどシュートが打てなかったことからもわかるように、それができなかった。

その最大の要因が、ハーフナー・マイクを下げたことかなと思う。

この試合のハーフナーの動きは、特別良かったわけじゃないけど、
相手のCBを引きつけながら、中盤に下がったり、サイドに流れたりすることで、
香川や岡崎が飛び込んでくるスペースを作ってた。

別にチュンソンが悪いって言うつもりはないけど、
ハーフナーが下がってから、中盤の選手がボールを預けるポイントを、
見失ってしまったようにも感じたしね。



まあ、ビハインドになったらなったで、最終予選でそういう状況に陥ることを想定して、
スクランブルの布陣を試すってこともして欲しかったんやけど、
この試合の交代は、藤本→乾、ハーフナー→李、長友→駒野という、
同じポジションの選手同士の交代で、フォーメーションはそのままやった。

ザッケローニとしては、タイプの違う選手を入れてアクセントは付けるけども、
下手にフォーメーションをいじって、
チームとしてのバランスを崩すような事はしないっていう方針なのかな。

「そういや、イタリア代表を率いて、こういう交代策を採り、
ユーロ2008で失態を披露したドナドーニとかいう監督がいたなぁ」
なんて思う俺は、ちょっとネガティブすぎるやろか。

アジアカップで優勝した時は良かったけど、
そこから徐々にチームパフォーマンスが劣化してるように感じるから、
余計そういう風に感じるのかもしれへんね。



3月9日には、最終予選で日本と対戦する相手が決まります。

日本はW杯に出れて当然みたいな空気があるけど、
タジキスタンには実力の差を見せつけたものの、
北朝鮮、ウズベキスタンには思うような戦いができなかった
3次予選のパフォーマンスを見る限り楽観はできない。

だからと言って、W杯の出場権を逃す事は、
日本サッカーのためを思うと絶対にあってはならないことなので、
どの国と対戦することになっても、結果にこだわって、
一戦必勝のスタイルでブラジル行きの切符を手に入れて欲しいと思います。



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2012年2月25日

「プレシーズンマッチなんてこんなもんだろ」と強がってみる



ガンバ大阪12サガン鳥栖


プレシーズンマッチとは言え、ガンバの試合を見るのは、2ヶ月半ぶりぐらい。

言い変えれば、セホーン体制になってからのガンバを見るのは初めてやったわけやけど、
試合を見た感じ、やり方自体は去年と大きな変化は無いみたいやね。

昨シーズンは、浦和や川崎や甲府のように、
新監督が、今までのチームのやり方を大きく変えようとして、
結果が出なかったチームが多かった。

でも、この試合で、今年のガンバは西野体制で築き上げてきたものをベースに戦う
ということを確認できたので、その点は安心できたね。



ただ、去年の悪い部分もあまり改善されていないようにも見えた。

攻撃面では、佐藤がドフリーを2回も外すなど、
シュート精度の低さが目立ったけど、それ以上に気になったのが、
サイドからチャンスを作った時に、ペナルティエリアに侵入している人数が少ない事。

名前を挙げると、二川と武井にはもっとゴール前に顔を出して欲しかった。

ラフィーニャとパウリーニョの2トップの連携不足も目に付いたけど、
まあ、この辺は実戦をこなしていくうちになんとかなるかなと思う。



守備面に関しては、あれだけ相手にセットプレーを与えたのはいただけないけど、
そこから守備が破綻しなかったのは良かった。

去年は、CKの度にビクビクしてたからね。

ただ、この試合での中澤のパフォーマンスを見る限り、
今年もケネディには敵わないやろなと思ってしまったね。

1失点目に関しては、中澤が前でクリアできたはずなのに、
かぶってしまったことで、後ろにいた選手に決められたし、
2失点目は、サイドからのクロスに対して、
簡単に前に体を入れられてしまった挙句、押し倒してPKを献上してしまった。

山口が抜けた今シーズンは、中澤が担う役割は大きいんやから、
こんな情けないプレーしてたら、この試合でコンビを組んだ丹羽に、
ポジション奪われてしまうで。



まあ、ガンバはもともとスロースターターなところがあるし、
プレシーズンマッチでそこまでいい試合は見れないやろな思ってたけど、
溜まりに溜まったガンバ不足を、この試合で解消したい気持ちがあっただけに、
この結果は消化不良やったね。

でも、1点返した時の、右サイドからの寺田の突破や、
明神の相変わらずの獅子奮迅ぶりの動きを見る限り、
そこまで悲観する事もないかなと思う。

この試合で消化できなかった部分は、
10日後のACL開幕戦で解消できるってことでいいんよね?



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スローインとその他諸々みたいな試合



日本31アイスランド


俺の中で、アイスランドと言えばグジョンセン。

だから、グジョンセンがいない今回のアイスランド代表に、
どんな選手がいるのか全然知らんかったんよね。

でも、この試合を見た後では、アイスランドの7番、
ソルステインソンは忘れられへん名前になったわ。

あんなアクロバティックなスローイン初めて見たし、
(ハンドスプリングスローって言うみたいね)
審判が何も言わないのを見れば、ルール上もOKなんやろな。

最初は、「何やってんだ?」ぐらいの感じで見てた長居の観客が、
試合終了に近づいてくると、ソルステインソンのスローインの度に、
スタンドが沸くのが、TV画面越しでも見て取れたしね。

プレミアリーグのストークシティ所属の、スローインの名手、ローリー・デラップでも、
スローインひとつであんなに観客を沸かす事はできへんやろ。

世界には色んな選手がいるんやなと再認識させられたわ。



まあ、試合の方は、お互い全体的にプレッシャーが緩く、
いかにもテストマッチらしい試合やなって感じ。

試合開始早々の前半2分に、槇野のクロスから前田がゴールを決めたけど、
その後は、試合のペースは握っているものの、
相手ゴールを脅かすシーンは少なかったから、
もうちょっと多くチャンスを作って欲しかったなと思う。



でも、後半に入ると、柏木に代わって入った中村憲剛が、
攻撃の起点になって、チャンスが多く生まれたね。

柏木も別に悪くはないねんけど、代表ではどうも力を出し切れてない印象があるよね。

そして、後半8分、憲剛のスルーパスに抜け出した藤本が、
見事なループシュートでゴールを決めて、2-0。

まあ、若干オフサイドっぽかったけど、いいシュートやったと思うわ。



その後は、アイスランドに押し込まれる時間帯が続いたけど、
日本のセットプレーから槇野が決めて、3-0。

これで、試合は決まったかなと思ったら、
試合終了間際に、槇野がPKを献上して1点を返されるという、
どうも締まりの悪い展開になってもうたね。

それにしても、槇野は良い意味でも悪い意味でもよく目立つやつやな。



テストマッチやから、柴崎や久保の起用も期待してたんやけど、
やっぱりザッケローニは、イタリア人監督らしく、
若手の起用には積極的じゃない感じやね。

20歳前後の選手にとって、代表での練習でも得られるものは多いと思うんやけど、
やっぱり、試合に出場して得られる経験ってそれ以上のものやと思うから、
俺的には使っても良かったと思うねんけどね。

まあ、まだ来週にウズベキスタン戦も控えてるし、
若手のメンバーは、短期間ではあるけども、しっかりとザッケローニにアピールして、
出場機会を得られるように頑張って欲しいなと思う。

あ、監督と言えば、アイスランドの監督が、
元スウェーデン代表監督のラガーベックだったのに、ちょっと驚いた。



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2012年2月23日

4点も取ったと見るか、4点しか取れなかったと見るか



日本40マレーシア


日本がマレーシアに勝てるかどうかよりも、
日本が何点取ってマレーシアに勝つかが重要だった、この試合。

前回の鳥栖での試合を見る限り、負ける事は無いかなと思ってたけど、
あの試合では、圧倒的に試合を支配しながら、最後の局面での詰めの甘さもあって、
26本もシュート打ちながら、2点しか取れなかったからね。

ヨーロッパでプレーする選手が招集できなかったり、
ケガ人が多くてベストな布陣が敷けない中でも4点取ったから、及第点かなと思うけど、
グループ首位のシリアの最終戦のカードが、ホームでマレーシアと言う事を考えると、
もっと取っておきたかったっていうのが本音やね。



試合は、前半の10分ぐらいまでは、
マレーシアの前線からの積極的なプレスに手を焼いて、ビルドアップに苦労していた印象。

自陣でボールを失う場面も多かったけど、
マレーシアにそこまで個人能力の高い選手がおらんかったこともあって、
大事には至らんかったのが幸いやったね。

しばらくして、トップ下の東が下がってボールを受けにくるようになってから、
落ち着いてボールを回せるようになり、日本のペースに持ち込めた。

東は、シリア戦は右サイドでプレーして、完全に試合から消えてたけど、
トップ下に入ったこの試合の方がやりやすそうにしてたね。


前半を酒井、大迫のゴールで2点リードで折り返すと、
後半、酒井のクロスからの原口のボレーと、
扇原のシュートのこぼれ球を斉藤が押し込んだシュートで、日本が2点追加。

良い感じで攻めてるなぁって思って見てたけど、
大迫が永井と代わったあたりから、オフェンス陣のイメージが合わなくて、
シュートまでいけない場面が多く目につくようになったね。

個人的には、永井じゃなくて、1トップとして大迫と同じタスクをこなせる、
杉本と代えた方が、前線での役割が明確になって良かったんじゃないかと思う。



あと、この試合では前のシリア戦で先発だった山村に代えて、
扇原を頭から起用してきたね。

まあ、扇原は試合全体を通して良かったって感じはしなかったけど、
2点目の大迫のゴールの場面や、4点目の斉藤のゴールの場面を見るだけでも、
先発で起用した価値はあったと思う。



この記事を書いている時点では、バーレーン対シリアの試合結果はわからないけど、
来月14日にバーレーンと対戦する際には、グループ首位に立っておきたいところやね。



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2012年2月12日

伝統のナショナルダービーは、ユナイテッドが制す



マンチェスター・ユナイテッド21リヴァプール


イングランドのフットボール史において、
数々の栄光を知るクラブ同士ということもあって、
“ナショナル・ダービー”と称されるこのカード。

でも、今回の対戦が、いつもとちょっと雰囲気が違ったのは、
昨年10月、アンフィールドでのこのカードの際、
スアレスがエヴラに人種差別的な発言をしたとして、
8試合出場停止になるという因縁があったから。

この出来事を象徴するかのように、スアレスがエヴラとの握手を拒否するなど、
試合前からピリピリした雰囲気が伝わってきたね。

そういや、このシーンを見て、2年前のチェルシー対マンチェスター・シティ戦の時に、
当時シティに在籍していたブリッジが、
元カノを寝取ったテリーとの握手を拒否したシーンを思い出したのは、
俺だけじゃないはず。



試合の方は、前半から両チームとも不用意なボールロストが多く、
ナショナルダービーに相応しい、レベルの高い試合とは言い難かったね。

ただ、ボールは奪えても、どちらも前半は慎重に行く作戦だったのか、
DFラインの押し上げが遅く、前線に人数が足りないっていう場面が多くて、
ゴールマウスを脅かすシーンは数えるほどやった。

どちらかというとキックオフから、前半30分ぐらいまでは、
リヴァプールのペースで試合が進んでたんやけど、
ギグスの左サイドからのクロスを、フリーのスコールズが頭で合わせたシーンから、
徐々にユナイテッドに流れが傾いたなっていう印象。

このスコールズのヘッドは、レイナの正面を突いて得点には至らなかったけど、
ギグスのクロスの前に、左サイドに展開したのはスコールズやったから、
この一連のプレーに、両ベテランの健在ぶりを垣間見る事ができたわ。



後半に入ると、試合は一気に動く。

後半2分、ユナイテッドのCKから、
ヘンダーソンがクリアし損なって後ろに流れたボールを、
ルーニーが叩き込んで、ユナイテッドが先制。

そして、その3分後に、スピアリングのパスミスを起点に、
またしてもルーニーが決めて、ユナイテッドがあっという間に2点リードを奪ったね。

ナショナルダービーという重要な試合で、きっちり結果を残せるあたり、
やっぱりルーニーって、試合を決定づけられる選手なんやなと思う。

リヴァプールは、スアレスやジェラードがそういう役割を担える選手やと思うんやけど、
スアレスは、後半1点取ったとはいえ、体にキレが無く、
明らかに長期の出場停止の影響で、勘が鈍ってる感じがしたね。

ジェラードに関しては、流石のボール捌きを見せる時もあるんやけど、
ゴールから離れた位置でプレーするシーンが多くて、
ユナイテッドDF陣の脅威になっていたとは言い難かった。

ジェラードだけでなく、長身FWのキャロルを投入したのにも関わらず、
全然ロングボールを使用しなかったり、アダムを投入したのに、
FKをベラミーに蹴らすなど、ダルグリッシュの采配は疑問点が多いわ。

2005年にビッグイヤーを獲得した時は、ホンマに魅力的なチームやったのに、
今のチームにその影を見る事ができないのは、残念でならないね。



結局、試合は2-1でユナイテッドが勝利。

試合後、エヴラが喜びを爆発させてたのを見て、
相当な意気込みでこの試合に臨んでたんやなぁって思ったけど、
それと同時に、今回のイザコザはこれで終わりにして欲しいなとも思ったね。

因縁があるのも面白くていいけど、やっぱりこの両チームには、
ナショナルダービーとしての純粋なライバル関係でいて欲しいわ。














2012年2月5日

この世代には、これぐらいの苦労も必要だ



日本12シリア


見慣れない新ユニのせいなのか、前半からどうもパッとしない日本。

この試合の日本は、マイボールになったら、1トップに入った永井を、
シンプルにDFラインの裏へ走らせる戦術を敷いてきたけど、
2列目の選手が、永井とどう絡んでいいのかイメージできてないように見受けられたし、
それによってセカンドボールも上手く拾えなくて、効果的な攻撃ができてなかったね。

オマケに、前半16分という早い時間に山崎が左腕を痛めて負傷退場すると、
交代で入った大迫が、最初のプレーでオウンゴールを決めてしまうという、
まさに泣きっ面に蜂。

まあ、オフシーズン明けの一発目の試合やから、
そんなにいい試合ができると思ってなかったけど、
どうにもこうにも流れの悪い前半やった。

でも、そんな流れの悪い中、前半のロスタイムに、
試合を振り出しに戻した永井のゴールは素晴らしかったね。

自陣の低い位置から出たロングフィードを大迫が前線で収め、
大迫のパスに、スピードを活かして抜け出した永井が、ワンタッチで決めるという、
2人の良さが存分に生きたゴールやった。

このゴールを見た時は、後半逆転できそうやなって思ったんやけども。



後半に入ると、前半の課題が修正され、セカンドボールも拾えるようになり、
日本がボールを支配する時間が増えたね。

ただ、マイボールになった時に、急いで攻めるのか、
ゆっくり行くのかが、チーム全体で共有できてないように感じたね。

キャプテンの山村に、そこらへんをコントロールして欲しかったんやけど、
故障による長期離脱から復帰したばかりという影響もあってか、
どうも物足りなかった。

山村と交代で出てきた扇原が良いプレーをしてただけに、
余計そう思うのかもしれへんけど。

まあ、鈴木大輔と大迫のどっちかが、
後半にあった決定的なシーンを決めといてくれたら、
こんな不満を垂れる事も無かったんやけどね。



結果は、後半の終了間際に、
シリアのアルサリフに勝ち越しゴールを奪われ、敗戦。

それにしても、敵ながらすごいシュートやったな、
あんなの10回蹴って1回入れば良い方やと思うわ。

まあ、そんなシュートを決められてしまうあたり、
この試合は最初から日本の流れじゃ無かったんやろうなと思う。



これで、ロンドン五輪出場に黄色信号が灯ったけど、
俺はこの敗戦は良い薬だと思う。

予選全勝でロンドン五輪に出場したところで、
1勝もできずに帰国するのが関の山やと思うしね。

プレーオフに回って、ギリギリの戦いをくぐり抜けて、
五輪の切符を掴む方が、メンタル的にもタフになれるやろうし、
チームの結束も強くなるやろうしね。

まあ、選手達は、この敗戦にショックを受けているかもしれへんけど、
チームが成長するために必要なステップやと受け止めて、
次戦のマレーシア戦に全力で臨んで欲しいなと思います。



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