2017年1月9日

ようやく本州最北端に届けられた深緑の優勝旗



今年も選手権決勝に行ってきました。



開幕戦から決勝まで全試合観戦した前回大会ほどではないにせよ、
今大会も準々決勝を除き全て現地観戦。

その中でも、前橋育英の試合は4試合観戦したので、
チームに対する愛着のようなものも芽生え始めていたんだけど、
決勝戦の結果は、彼らにとって残酷なものになってしまったね。


青森山田50前橋育英


奇しくも、前回大会の決勝と同じスコアになったわけやけど、
前橋育英は、1回戦から準決勝までの5試合を無失点と、
手堅く勝ち上がってきていたので、
5失点と言う結果は予想外に感じる人もいると思う。

ただ、その5試合の内容を見ると、先制点は奪えているものの、
押し込んでいる時間帯に追加点を奪えなかったり、
あわや失点の場面も、GKの月田のファインセーブや、
クロスバーなどに助けられたものが多かったので、
盤石の試合運びをしているという感じではなかった。

実際、この試合でも、序盤に試合の主導権を握るものの、
高沢と仁見にビッグチャンスが訪れながらもこれを決めきれずにいるうちに、
青森山田に訪れたファーストチャンスを、
高橋壱晟にモノにされてしまった格好だった。

勝負事にたらればは禁物なのは重々承知しているけど、
序盤の前橋育英の時間帯に先制点が入っていれば、
これだけ大差がつく試合にはならなかったんじゃないだろうか。

今思えば、準決勝の佐野日大戦後のお立ち台で、
決勝に向けての意気込みを尋ねられた山田監督が、
「自分たちにはそこまでの力はない」と言っていたのは、
上記のような試合運びの拙さを危惧してのものだったのかな。



対する青森山田は、各ポジションに能力の高い選手を配し、
プレミア王者として、優勝候補の最右翼に挙げられていたけど、
前回大会王者の東福岡と比べると、
そこまで相手校を圧倒するような試合をしていた感じはないんよね。

1試合に訪れるチャンスの数は少ないけど、
それを鳴海や高橋と言った決定力のある選手が確実に決め、
1試合に何度か訪れるピンチも廣末が止めるといった感じで、
個の力がチーム力として上手く還元されているなという印象を持った。

前々回大会の東福岡のように、個の能力の高い選手が集まると、
得てしてチームとしてのまとまりに欠ける感じも見受けられるけど、
今大会の青森山田からその手の雰囲気が感じられなかったのは、
主将の住永の功績が非常に大きかったんじゃないだろうか。

また、GKの廣末についてもう少し書いておくと、
前回大会でも高校生レベルを凌駕するようなキックを蹴っていたので、
キックに関しては今更驚くことはなかったんだけど、
この1年でシュートストップの技術が飛躍的に向上したように思う。

高校卒業後は、ジュニアユース時代を過ごしたFC東京に復帰するみたいだけど、
FC東京は、既にサガン鳥栖から林の獲得を決め、
さらに、ユースから波多野という2m近い身長のあるGKも昇格させるので、
廣末の才能を埋もれさせてしまわないか心配だね。


群雄割拠の様相を呈していた高校サッカー界も今は昔、
ここ3年は、星稜、東福岡、青森山田と、
優勝候補が順当に深緑の優勝旗を勝ち取っている。

Jリーグのクラブユースに有力選手が流れ、
高校サッカーの弱体化が著しかった時代もあったけど、
プレミアリーグ、プリンスリーグが始まったことで、
また高校サッカーのレベルが上がってきていると見ていいだろうね。

ただ、選手が常に入れ替わり続けるので、
強さを持続させるのが難しいというのは、
高校サッカーに限らず、学生スポーツの難しいところ。

その難しさを見越して、実質の下部組織である、
中等部を強化している青森山田には恐ろしさすら感じるけど、
次回の第96回大会では、そんな王者を破る高校が現れることに期待したいね。
















2017年1月2日

まるで最初から手元にあったかのように賜杯を掲げた鹿島アントラーズ



あけましておめでとうございます。

本年も、インターネット上に駄文を垂れ流し続けている、
幣ブログを何卒よろしくお願いします。



マリノスに負けた時点で、誰かにチケットを譲ろうかなとも思ったんだけど、
「元日の予定は空けておいてください」という、我らが主将の言葉を受け、
ガンバが天皇杯決勝に進出することを前提に、
天皇杯観戦込みで実家に帰省する年末年始のスケジュールを立てていたので、
吹田スタジアムに足を運ぶことにしました。

ただ、贔屓のクラブの試合ではなくても、
元日の決勝の心が洗われるような独特の雰囲気は、
何度味わっても良いものだし、
試合自体もとても見応えのあるものだった。




このブログで何度か書いているけど、
川崎のような志の高いサッカーをしているクラブには、
タイトルという形で報われてほしいと思っている。

だから、どちらかと言うと川崎寄りのスタンスで観戦していたんだけど、
ボールを支配してもなかなかシュートを打つところまで辿り着けず、
セットプレーやバイタルエリアで簡単に鹿島の選手をフリーにして、
失点を喫しているところを見る限り、
シーズンの後半にチームのバランスを崩してから、
立て直せないままここまで来てしまったような印象を受けたね。

決勝の相手がゴールドコレクターの鹿島ということもあって、
シルバーコレクターの川崎は分が悪いという見方がされていたけど、
どこが決勝に出てきても、厳しい試合を強いられたように思う。

まあ、もっともこの試合は延長戦までもつれ込んだわけやけど、
川崎が粘ったからと言うよりは、
鹿島が、赤﨑というハンデを、
自らに課して試合に臨んでいたからじゃないだろうか。

赤﨑の代わりに金崎がスタメンで出ていたら、
90分で試合は終わっていたように思う。



対する鹿島は、チャンピオンシップから連戦続きで、
コンディション的に相当厳しかったと思うけど、主将の小笠原が、
自ら怒りのパフォーマンスでチームに鞭を揮い、チームを奮い立たせるなど、
カップ戦のファイナルでの手綱さばきはさすがの一言。

中村憲剛との場数の違いから来る、経験値の差を見せつける格好になったね。

そして、決勝ゴールは、
その小笠原との交代でピッチに入ったファブリシオだったわけやけど、
チャンピオンシップでスイッチの入ったチームの中で、
どこか蚊帳の外のような感があり、
見た目も含めてネタ外人なのかなと思っていたけど、
最後の最後で仕事をしたね。

思えば、いつぞやの天皇杯決勝で、ネタ外人枠と思っていたダニーロが、
決勝ゴールを決めて鹿島が優勝したこともあったし、
タイトルを獲得する時は、こういう思わぬ選手の活躍っていうのも、
重要なんやなと再認識させられたわ。



これで2016年シーズンの公式戦は全て終了。

リーグと天皇杯の2冠を達成し、
CWCで2位になってもなお、積極的に補強に動いている鹿島。

風間監督との4年半の蜜月に終わりを告げ、
鬼木監督共に新たな歴史を作っていこうとする川崎。

我らがガンバも含め、2017年シーズンのJリーグも、
熱い試合がたくさん見られることを期待したいね。