2018年6月29日

試合に負けて賭けに勝った西野朗



日本01ポーランド


ヴォルゴグラードのスタジアムに詰めかけた観客から、
日本に浴びせられる激しいブーイング。

無理もない。

同時刻に行われていたグループHのもう一試合で、
セネガル相手にリードを奪っていたコロンビアがそのまま勝利することに賭け、
負けている状況にも関わらず、後ろでゆっくりとボールを回して、
試合が終わるのを待っているのだから。

結果的に西野朗はこの賭けに勝った。

勝ち点・得失点差・総得点で並んだ日本とセネガルの差を分けたのは、
これまでの試合で受けた警告をもとに算出されるフェアプレーポイント。

コロンビア相手に最後まで勝利を目指して戦ったセネガルを差し置いて、
ポーランドの忖度により決勝トーナメント進出を決めた日本の方が、
フェアプレーだったなんて皮肉にも聞こえるけどね。



先のセネガル戦から6人を入れ替えて臨んだこの試合。

セネガル戦で勝利し、決勝トーナメント進出を決めているのであれば、
このスタメンもアリだとは思ったけど、
この試合の結果如何で敗退もあるという状況で送り込むには、
リスクが高いように思えた。

ただ、そんな日本のスタメンで目を引いたのは、GKの川島。

先月の親善試合から不安定なプレーを露呈し、
先のセネガル戦で先制点を献上するミスを犯したことで、
このところ風当たりが強くなっていたチーム最年長選手だけど、
この試合では、これまでのミスを帳消しにするようなパフォーマンスを見せていたと思う。

特に、前半のポーランドのヘディングシュートをセーブした場面と、
後半に訪れたあわや槙野のオウンゴールという場面で見せたスーパーセーブは見事だった。

個人的には、東口や中村のプレーも見たかったなと思うのだけど、
世間から非難の的となり、ナーバスになっていたと思われる川島に対し、
西野朗は、キャプテンマークを与え、次の試合でもスタメン起用することで、
改めて背番号1への信頼を示した。

この西野朗の人心掌握術と、その期待に応えた川島は素晴らしかったと思う。



ただ、この試合の西野朗の采配でよくわからなかったのは、
酒井高徳の右サイドハーフ起用。

コロンビア戦とセネガル戦で、
ワーキングウイングとして起用していた原口の代わりということなんだろうけど、
ボールが入るたびにノッキングを起こしていたため、正直、機能していたとは言い難い。

そもそも酒井高徳は、SBの控えということで、
今回の代表に招集されている認識なのだけど、
ただでさえも自陣の深い位置での軽率なミスが多い選手だし、
所属のハンブルガーSVでは長いこと中盤でプレーしているため、
SBとして起用するにしても、もう試合勘が無いと思う。

この日のメンバーで酒井高徳を起用するのであれば、山口と酒井高徳の中盤にして、
2列目は左から宇佐美、柴崎、岡崎or武藤という並びかなと思うけど、
あまりしっくりこないので、スタメンに関しては再考の余地はあったんじゃないだろうか。



何はともあれ決勝トーナメントに進むことが出来たわけだけど、
ベスト16で対戦するのはベルギー。

いきなりかなりの難敵を相手にすることになったわけだけど、
昨年の11月に欧州遠征で1.5軍のベルギーと対戦しているので、
長いこと対戦していなかったイングランドに比べれば、
組み合うイメージはし易いんじゃないだろうか。

ただ、そうは言っても、決勝トーナメントに勝ち上がってくるようなチームなんて、
日本からしてみればどこも格上なんだから、
失うものは無いという気持ちで思い切ってぶつかって欲しいと思います。




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2018年6月25日

テランガのライオンを相手に勝ち点1を分け合う



日本22セネガル


グループステージ初戦を制した両国同士ということもあり、
この試合で勝利した方が決勝トーナメントへの切符を勝ち取るという試合。

日本は二度リードを奪われるという苦しい展開を強いられたものの、
二度とも追いついてドロー。

よく勝ち点1を積み上げたという見方もできるけど、
個人的には、試合後に西野監督や本田が言っていたように、
スコアが1-1の時間帯に多くの決定機を作り出せていたので、
勝ちきれなかった試合だったという印象の方が強いね。



この試合のスタメンは、先日のコロンビア戦と全く同じ。

ガンバ時代からメンバーを固定して戦っていた西野監督のことだから、
このスタメンに驚きは無かったのだけど、
このところミスが続いている川島に関しては、
代えてほしかったと思っている人も多かったんじゃないだろうか。

そんな不安こそ的中してしまうもので、
サバリのシュートをパンチングでクリアするも、目の前にいたマネにぶつけてしまい、
跳ね返りがゴールマウスに吸い込まれ、先制点を献上。

多くの人が言うように、キャッチに行く場面だったと思う。

前半のうちに乾が見事なゴールを決めて試合を振り出しに戻したことで、
この川島のミスに関しては帳消しになったけど、
もし、この失点が原因で日本が負けていたら、
川島が戦犯として叩かれることは避けられなかっただろうね。

川島のミスは先日のコロンビア戦以前から続いているので、
もういい加減GKは東口か中村で行って欲しいと思っているのだけど、
ガンバの監督時代、どれだけミスをしても藤ヶ谷を起用し続けていた西野朗のことだから、
ポーランド戦も川島の可能性が高いと思うけど。



後半に入ると、吉田と昌子の両CBの間に長谷部が落ちてきて、
長友と酒井宏樹の両SBに高い位置を取らせるというビルドアップがハマり、
日本が試合の主導権を握ることが出来た。

また、両SBに高い位置を取らせることで、
セネガルのマネとサールの両翼のオーバーラップを牽制するという意味で、
守備面でも効果は大きかった。

西野朗は、前半のチームのパフォーマンスが悪くても、
選手を交代させずにハーフタイムで修正をかける能力に長けているけど、
その片鱗が垣間見えた場面だったと思う。

ただ、日本が試合の主導権を握るも、得点を奪うところまでは至らず。

柴崎のクロスに大迫が飛び込んだ場面と、
乾のシュートがクロスバーに弾かれた場面のどちらかがゴールになっていれば、
この試合で決勝トーナメント進出を勝ち取ることが出来たと思うけど、
そんなにW杯は甘いところじゃないってことなんだろう。

決められるところで決めないと往々にして痛い目に遭うというのは、
このサッカーというスポーツではよく言われることだけど、
この試合でも例に違わず、ワゲに勝ち越しゴールを許してしまったね。



試合時間も残り20分ちょっとで1点ビハインドということで、
これは厳しいかなと思っていたら、香川に代わってピッチに入った本田が、
乾の折り返しを決めて2-2の同点に。

それにしても、大迫と乾が決定機をモノに出来ない中、
途中出場にも関わらずファーストチャンスをモノにするあたり、
本田圭佑という男のメンタルの強さには感服する。



次戦は決勝トーナメント進出を懸けてポーランドと対戦。

日本とセネガルの試合の後に行われた試合で、
コロンビアに大敗を喫したポーランドは、既にグループステージ敗退が決定。

やはり11人が揃ったコロンビアは強いと再認識すると同時に、
大会前はグループ最強という声もあったポーランドに関しては、
W杯の出場国の力量を計るにあたり、
FIFAランキングという物差しが如何にアテにならないかを証明したように思う。

今大会ナンバーワンストライカーという呼び声高いレバンドフスキが、
ここまでまだノーゴールと言うのが不気味ではあるけど、
コロンビアとセネガルの試合の結果は気にせずに、
ポーランド相手に勝ち点を積み上げて、自力で決勝トーナメント進出を勝ち取りましょう。




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2018年6月20日

ロシアの地で響き渡った鬨の声



日本21コロンビア


ガンバ大阪に多くの勝利をもたらしてくれた西野朗が、
ボロクソに叩かれるところは見たくないけど、
今の日本代表の実力と対戦相手に鑑みてロシアの地で勝利を挙げられるとは思えない。

なので、西野監督にとって、今回の代表監督と言う仕事は、
自身の指導者キャリアの晩節を汚すことになるだろうなと思っていたけど、
そんな僕の気持ちは良い意味で裏切られた。

これまで日本はW杯に於いて、一度も南米のチームに勝ったことがなかったけど、
なんと前回大会でベスト8のコロンビアを撃破するというアップセットを披露。

西野朗がガンバ大阪を離れて7年の月日が経つけど、
今度は代表監督として僕たちの国に勝利をもたらしてくれた。

ハリルホジッチ解任以降、日本代表に対して辛辣な言葉を投げかけていた人も、
この日の僕らの国の代表選手たちの戦いには胸が熱くなったはずだ。



この試合を語るにあたり、
前半3分でカルロス・サンチェスが退場になったことに触れないわけにはいかない。

香川のシュートを、ペナルティエリア内で意図的にハンドして阻止したということで、
試合開始早々に、日本に数的有利と先制点のアドバンテージがもたらされたわけだからね。

ただ、1人少ないにも関わらず、
日本相手に何度もチャンスを作り出しているところを見ると、
わざわざ手を使ってシュートを止めなくても、
1点ビハインドぐらい造作もなくひっくり返せそうに見えたんだけど、
本能的に手が出てしまったのだろうか。



1人少ないコロンビア相手に攻め込まれながらも、
体を張ったディフェンスで持ちこたえていた日本だったけど、
キンテーロにFKを決められてスコアをタイに戻されてしまった。

右に寄りすぎていた川島の対応もどうかと思ったけど、
これに関しては、明らかにファルカオのファウルだったのにも関わらず、
なぜか長谷部がファウルを取られて献上したFKからの失点だったので、
不運な事故のようなもの。

なので、「追いつかれたけど数的有利だしまだ自分たちに分がある」
と開き直れればよかったのだけど、なぜか浮足立つ日本の選手たち。

どことなく、前回のブラジルW杯のコートジボワール戦で、
ドログバが投入された後の状況に似たものを感じたけど、
すぐにハーフタイムに入って精神的に立て直すことができたのが、
日本にとって幸いだったね。



後半に入っても両国とも決め手を欠く展開だったけど、
試合が動くターニングポイントになったのは、
コロンビアのエースであるハメス・ロドリゲスの投入だったんじゃないだろうか。

ブラジルW杯でも日本から得点を挙げているハメスの投入は、
本来であれば日本にとって脅威になるはずなんだけど、
どうやら今大会のハメスは故障を抱えているようで、
コンディションが万全ではない様子。

コンディションが良くても守備面での貢献度が低い選手なのに、
攻撃面でも怖さが無いと来れば、ただでさえも10人のコロンビアが、
9人になったかのようだったね。

案の定、ハメス投入以降、ボールを保持できるようになった日本に、
勝ち越しゴールが生まれるのは必然のシナリオだったのかもしれない。

ただ、大迫の殊勝のゴールをアシストしたのが、
ここ数ヶ月厳しい声に晒されてきた本田圭佑だったというのに、
長年にわたり日本代表の顔として君臨してきた男の意地を見た気がしたね。



その後もコロンビアに何度かゴールを脅かされる場面はあったものの、
失点するまでには至らず1点リードを保ったまま逃げ切り。

勝利は一番の良薬とはサポーターに対しても言えるのか、
次戦のセネガル戦に対して俄然興味がわいてきたね。

西野監督はメンバーを固定したがる傾向があるけど、
W杯のようなインテンシティの高いコンペティションに於いて、
同じ選手をずっと起用できるとは思えないので、
上手く選手をやり繰りしながら日曜日の試合に臨んで欲しいね。



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2018年6月13日

乾貴士が僅かながらに残した代表への期待



日本42パラグアイ


ガーナ戦、スイス戦とあまりにも低調なパフォーマンスで敗戦を喫したものだから、
西野朗は代表監督として1勝も出来ない…いや、下手したら1ゴールも挙げられないまま
その職務を解かれるんじゃないかと思っていたけど、
乾の2ゴールの活躍もあり、パラグアイには勝利をすることが出来た。

ただ、パラグアイはW杯の出場権を逃しているので、
この試合に出場した選手たちも2軍のメンバー。

この試合のパラグアイが仮想コロンビアとして相応しい相手だったかという点では、
疑問符が付くところだけど、4得点を挙げて勝利をしたことで、
ポジティブな精神状態で本大会に臨めるという点では、
この強化試合の意義はあったんじゃないかなと思う。



スイス戦からスタメンを10人入れ替えて臨んだ試合だったけど、
試合内容に関しては、西野JAPANになってからの3試合で一番良かったと思う。

まあ、コロンビア戦まであと1週間を切っている状況で、
試合を重ねるごとに内容も結果もトーンダウンなんてことになっていたら、
それはそれで困るのだけども。

そんなスイス戦で西野朗に強くアピールできたと思われるのは、乾と柴崎だろう。

乾に関しては先述の通り、この試合で2ゴールを決めて日本を勝利に導いたし、
この試合を中継していた日テレでは、
しきりに「バルサ相手の2ゴール」をアピールしていたので、
どうしても攻撃面に目が移りがちになる。

ただ、彼の場合は、スペインに渡って守備を覚えたことで、
これまでのドリブルが得意なアタッカーから
さらにワンランク上のプレーヤーに成長した感があるね。

このままいくとコロンビア戦のスタメンは濃厚だろうけど、
それで割を食うのが宇佐美貴史だというのが、
ガンバサポとしては複雑ではあるのだけども。

柴崎に関しては、ボランチの位置から長短のパスでゲームを作り、
前半の一番の見せ場であった惜しいFKや、
オウンゴールを誘発したCKなど得点にも絡んだね。

ボランチで起用して守勢の時間が長く続くとどうかなと思うけど、
コロンビア戦でも見てみたいと思わせるようなプレーをしていたね。



また、ガンバサポとしては、この試合でゴールマウスを守った
東口についても気になるところではあるけど、
パラグアイのゴラッソによる1失点はあったものの、
及第点のパフォーマンスだったんじゃないだろうか。

ただ、ここ最近、不安定なプレーが続いている川島を、
正GKの座から引きずり下ろすようなパフォーマンスを期待していたのだけども、
そこまでのインパクトは残せなかったかなと思う。



次戦はいよいよロシアW杯初戦のコロンビア戦。

前回のブラジル大会でも惨敗を喫していて、
初戦で対戦するにはあまりにも手強い相手だけど、
W杯に出場している国として恥ずかしくない戦いをして欲しい。

正直、過去6大会でここまで盛り上がっていないW杯は記憶に無いんだけど、
手首の靭帯が断裂するぐらいの勢いで手のひらを返させて欲しいものですな。



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2018年6月10日

磐田で吠えた激情の虎



磐田行って来ました。




ガンバ大阪32ジュビロ磐田


6月上旬の30度を超す気温の中での試合。

それだけでも体力的にきついのに、
120分間の戦いを強いられた3日前の天皇杯と全く同じスタメンを送り込む
クルピの思考回路は一体どうなっているのだろうか。

そんな懐疑的な眼差しで試合を見ている中で、
前半15分に磐田の松浦に先制ゴールを許してしまったので、
「ほら言わんこっちゃない」という感じだった。

今季のガンバは引いた相手を崩す術を持ち合わせていないので、
先制されて相手が前に出て来なくなると苦しい試合を強いられることが多いけど、
吹田でアウェイゴールを奪えなかった磐田は、先制してもなお前に出てきたので、
ガンバとしてはカウンターを狙いやすい展開にはなっていた。

その狙い通りのカウンターの形で、磐田のゴールを陥れたのはファン・ウィジョ。

今朝の日本代表の強化試合で、スイスが日本相手に見せたような、
相手CKからの見事なロングカウンターで磐田に痛恨の一撃を食らわせたね。



後半になってもファン・ウィジョの勢いは衰えない。

遠藤のシュートのこぼれ球を豪快に叩き込んで2点目を奪えば、
髙江のスルーパスから3点目のゴールを奪い、見事ハットトリック達成。

これだけゴールに対して貪欲な選手であれば、
これまで何度かハットトリックを達成したことがあるのかなと思っていたけど、
意外にもプロキャリアでは初めてなのだとか。

しかも、JリーグでNo1のGKと評されることも多い、
カミンスキーが守るゴールを3度も破ってのハットトリックだったので、
なおさら価値があるものになったね。

また、この試合は、3日前の天皇杯での不甲斐ない戦いぶりに抗議するため、
横断幕を逆さまに掲示したり、前半10分まで応援を行わず、
応援が始まっても選手個人のコールは行わないという制約があったのだけど、
試合後、ゴール裏に挨拶に来たファン・ウィジョに対し、
この日一番の声量でファン・ウィジョのチャントが歌われたことに、
胸がすくような気持ちになったね。



ただ、そんなファン・ウィジョを下げて
食野を投入するクルピの采配は相変わらず謎なんだけども。

食野を投入すること自体は悪くないと思うんだけど、
交代させるのであれば藤本か遠藤のどちらかだろうと。

ファン・ウィジョがベンチに下がってから、
磐田のDFラインの裏のスペースを狙う選手がいなくなり、
得点の匂いが全くしなくなった気がしたのは僕だけでしょうかね。


川又に許した最後の失点がいただけなかったけど、
磐田にアグリゲートスコア4-2で勝利し、
ルヴァンカップの決勝トーナメントへの進出を決めたところで、
W杯による中断期間に突入。

なにやらお隣の8番がウチに来るという話が再燃しておりますが、
次節の対戦相手は首位の広島なので、前半戦でひたすらに露呈した課題を、
夏季キャンプでしっかり修正して臨んで欲しいね。



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2018年6月9日

何を強化できたのかわからない強化試合



日本02スイス


つい10日前に日産スタジアムで観光気分のガーナに完敗し、
「6000円も払ったのにこんな試合を見せやがって」って毒づいたばかりなのに、
夜中に眠い目をこすりながらW杯前の強化試合を見るなんて、
自分の物好きぶりには嫌になる。

しかも、そこまでしてTV観戦したにも関わらず、
ガーナ戦と同じスコアで負けるというから、全く報われない。

高い金を払ったり夜更かしをしたりしてまで苦痛を味わっている僕らって、
相当なマゾヒストなんじゃないだろうかと思う時がある。

まあ、そんなことを思いながらも、次のパラグアイ戦も観戦するのでしょうけど。



ガーナ戦では3バックの布陣を採用したけど、この試合では慣れ親しんだ4-2-3-1を採用。

おそらくガーナ戦では、長谷部が所属クラブで3バックの中央を担っていることから、
代表でも3バックを採用してみようという考えに至ったのかなと思うけど、
そもそも代表チームではクラブほど練習時間は確保できないからね。

付け焼刃の3バックよりも、これまで多くの試合をこなしてきた4バックの布陣の方が、
短期間で戦術を落とし込みやすいので、あくまで3バックはオプションとして、
4バックを基本戦術として戦った方が良いと思う。



実際、この試合では、ボランチの大島と長谷部が、
スイスの選手たちの激しいプレスに遭う場面は多かったけど、
ガーナ戦に比べたら上手くボールを動かせているように見えた。

ガーナ戦ではWBが押し込まれて5バックと化し、
攻撃に移ってもサイドの人数が足りずに前に進めない場面が多かったけど、
この試合ではサイドバックのオーバーラップは効果的に使えていたからね。

ただ、酒井高徳に右SBというポジションは適任なのだろうかと疑問に感じる。

この試合のスイスの先制点に繋がったPKは、
吉田が犯したファウルによって献上されたものだったけど、
そもそも酒井高徳が簡単に突破を許したところがいただけない。

今回のミスだけなく、これまでの代表戦で何回もやらかしている前科もあるし、
新潟時代はSBを務めていたけど、今の所属クラブではボランチを務めているので、
SBとしての適性は失いつつあるんじゃないだろうか。

かつてオシムが残したポリバレントという言葉の聞こえはいいものの、
この選手の場合、どこのポジションでも代表レベルには無いと思う。



また、攻撃陣に関してはこの試合も沈黙。

カウンターを発動する場面は多かったものの、
モタモタしている間にスイスの選手たちに帰陣されてスペースを失い、
なんとなくサイドからクロスを上げて跳ね返されるの繰り返し。

たまにシュートを放っても、枠外かGKの正面に飛ぶばかりなので、
スイスのGKのビュルキはとてもやりやすかったんじゃないだろうか。

対するスイスは、日本に訪れたCKの流れから、
流れるようなカウンターで2点目を奪うのだから、
カウンターってこうやるんですよというレクチャーを受けている気分になったね。



先日、西野監督が「W杯前の強化試合ではすべての選手を起用する」と言っていたので、
次のパラグアイ戦ではスイス戦で出場機会の無かった選手たちが多く起用されると思う。

個人的には、先日のガーナ戦から軽率なミスが目立つ川島に代えて、
我らが守護神の東口がゴールマウスを守る姿を見たいね。

ただ、それだけで今の代表を覆っている閉塞感を拭えるとも思えないので、
フィールドプレーヤーで起爆剤となれる選手が現れて欲しいものだけど、
今回の招集メンバーを見る限り、そんな選手は見当たらないので、
このまま本大会初戦のコロンビア戦を迎えることになりそうだね。

と、言うわけで、今から磐田に行って来たいと思います。




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2018年6月7日

大学生にサッカーのレッスンを受けるJ1の選手たち



ガンバ大阪12関西学院大学


天皇杯で大学生のジャイアントキリングの餌食になるJリーグのクラブって、
毎年、多かれ少なかれ存在するけど、どうやら今年はウチだったようね。

ただ、その手のJリーグのクラブは、対戦相手の大学生を格下と見て、
メンバーを落としたことで苦戦を強いられたというケースが多いけど、
この試合に臨んだガンバのスタメンは、
J1リーグの試合に送り出されても違和感のないベストメンバーだった。

土曜日にルヴァンカップのプレーオフ2nd legの磐田戦を控えているので、
この試合ではU-23の選手たちをピッチに送り出して、
トップチームの選手たちは週末の試合に備えて温存しても良かったと思ったんだけど、
トップチームの選手たちの力量で、
前半で試合を決めてしまおうという意図だったのだろうか。

そんな意図はものの見事に外れ、前半で試合を決めるどころか、
ベストメンバーで延長を含めて120分間を戦う羽目になったんだから、
もう目も当てられない。

これでヤマハスタジアムで敗れるなんてことがあったら、
一体、誰がどう責任を取ってくれるんでしょうかね。



対する関学は、J1のクラブのガンバ相手にリードを奪っても、
必要以上に守備を固めたり、時間稼ぎを行ったりせず、
あくまで正々堂々と真っ向から勝負を挑んできた。

日大アメフト部の悪質タックル問題の被害者として、
最近、大学名を耳にする機会が増えた関学だけど、
不誠実な対応を繰り返す日大に対し、関学は真摯に問題と向き合ったことで、
ケガの功名で大学としての評価を上げた感がある。

そんな関学のフェアプレー精神は、アメフト部だけに留まらず、
サッカー部にも浸透していることをこの試合で目の当たりにし、
これぞ学生スポーツの真の在り方だなと感じたね。

試合終了の笛が鳴った後、ガンバの選手たちの不甲斐なさに腹が立ったけど、
関学の選手たちの健闘を称えて拍手をしている自分がいたわ。



前述の通り、土曜日はルヴァンカップのプレーオフ2nd legの磐田戦。

彼らも中京大学相手に120分間の試合を強いられたみたいだけど、
土曜日の試合に出場するであろうメンバーは温存したようなので、
ガンバに比べて肉体的なダメージは少ないと思われる。

それに何より、磐田の場合は、延長に持ち込まれたとは言え、
最後はプロとしての意地を見せて勝っているので、
精神的なダメージに関してもガンバより少ないだろうね。

どう考えても不利な状況で中2日で試合を迎えることになるわけだけど、
どうせヤマハスタジアムのピッチにも、この日と同じ11人が並ぶんだろうね。

昨季の同じ時期にリーグ戦でヤマハスタジアムを訪れた時は、
良いところなく一方的な展開で敗れてしまったので、
今季は良い試合をして勝ってほしいなと思っているのですが、
無理なお願いでしょうかね。




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2018年6月2日

180分間の戦い方は心得ているつもりだ



ガンバ大阪10ジュビロ磐田


ロシアW杯の開幕まであと2週間を切り、
日本のサッカー界はW杯ムード一色…と言いたいところだけど、
先日のガーナ戦での体たらくぶりな戦いぶりと、
前回のブラジルW杯から代わり映えしない23人の顔触れに、
今一つ盛り上がりに欠けている感じ。

そんな微妙な雰囲気の日本サッカー界の中で、
一部の人間の関心事が、ルヴァンカップのプレーオフ。

Jリーグの蛸壺化を象徴しているような状況ではあるけど、
愛するクラブが試合をする以上、無関心ではいられないのですよ。



敵軍の中村俊輔曰く、ホーム&アウェイの180分間の戦いは、
最初と最後の10分が大事とのこと。

その最初の10分で試合を動かしたのは我らがガンバ大阪。

右サイドの高い位置でボールを受けたファン・ウィジョが、
強引なターンからマーカー2人をぶっちぎり、長沢へパス。

その長沢がお洒落なヒールでファン・ウィジョに戻すと、
これをファン・ウィジョが右足アウトサイドでゴールネットを揺らし、
年に1度見れるか見れないかという美しい崩しでガンバに先制点をもたらした。

前半は、このゴールの場面以外でも、全体的にガンバの選手の動きは良くて、
15連戦という過酷な過密日程を終え、しばらく休んだうえでの試合だったから、
選手個々のコンディションは良さが、
チームとしてのパフォーマンスに反映された感じだったね。



ところが、後半になって選手の運動量が落ちてくると、
磐田に押し込まれる時間が長くなり、攻撃に移っても、
ファン・ウィジョを走らせるだけの単発な攻撃ばかりになっていった。

シーズンも半分を終えようとしている時期になって、
未だに運動量に左右される戦い方しかチームに落とし込めていないのかと、
頭を抱えたくなるね。

ただ、攻められている割には失点しそうな気があまりしなくて、
特に、川又と田口はガンバのDFじゃないかっていうぐらい、
磐田のチャンスを潰して、ガンバの勝利に貢献してくれた。

どちらかと言うと、磐田の選手にシュートを打たれるより、
三浦弦太にボールが渡った時の方が
失点しそうな気がするっていうのがいただけないんだけども。

ガンバのDFリーダーの象徴でもある、
キャプテンマークと背番号5を託されているのだから、
先駆者の名に恥じないプレーを見せて欲しいものなんですがね。



ヤマハでの2nd legが残っているとは言え、
1st legでアウェイゴールを与えずに勝利したのは大きい。

ミッドウィークの天皇杯で関西学院にもきっちりと勝利をして、
弾みをつけて磐田に乗り込んで欲しいと思います。




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