2018年11月24日

V・ファーレン長崎、またJ1のピッチで会おう



ガンバ大阪21V・ファーレン長崎


J1リーグのこれまでの歴史に於いて、
これだけ同情されながらJ2に降格した最下位のチームがあっただろうか。

これまでJ1リーグで最下位になったクラブの最多の勝ち点数は、
2009年の千葉の27なので、ここまで29の勝ち点を積み上げた長崎は、
それを上回る成績を残している。

2018年J1リーグの史上類を見ないハイレベルな残留争いにより、
J1残留に必要な勝ち点数が多くなってしまったことで、
J2降格の憂き目に遭ってしまったものの、
例年であれば残留してもおかしくない戦いを見せていたと思う。

ただ、どんな慰めや同情の言葉を受け取っても、長崎のサポーターの心中は複雑だろう。

戦力やチームの予算に鑑みてもこの結果は致し方ないとは言え、
自分が応援するクラブが敗北を重ねJ2に降格する姿は見たくないものだ。

個人的に、今季も2013年も長崎のアウェイには参戦出来なかったので、
次回の対戦時には是非とも長崎の地を訪れたいと思っている。

来季のJ2リーグの舞台では、今季のJ1で培った経験を糧にして、
1年でのJ1復帰を達成して欲しい。



と、まあ、偉そうなことを書いてしまったけど、
一歩間違えたら長崎の立場にいたのは
自分たちだったかもしれないというのは忘れてはいけない。

8月にアウェイで鳥栖に0-3で敗れた時は、それこそJ2降格を覚悟したものだけど、
よくぞここまで建て直したものだとしみじみ思う。

そりゃあ、過去2シーズン、ホーム最終戦セレモニーに姿を現さなかった山内社長も、
機嫌が良くなって挨拶に出てくるわな。(案の定ブーイングされてたけど)

ただ、「一時はどうなるかと思ったけど、最後は強いガンバが見られてよかったね、
めでたしめでたし」とするんじゃなくて、同じ過ちを繰り返さないためにも、
きちんとPDCAサイクルのCとAの部分を行ってほしい。

その旗振りをしなければいけないのは誰だかわかっているよね?



今節の一番のトピックスは、
累積警告で出場停止の倉田に代わって先発出場した中村敬斗のJ1初ゴールかな。

クルピが監督だった頃はコンスタントに出場機会があった中村だけど、
そこで結果を残すことが出来ず、
宮本監督になってからの主戦場はもっぱらJ3のU-23チームだった。

ただ、クルピ時代に結果を残せなかったのは、
中村のプレーが悪かったと言うよりも、チーム状態が悪く、
チームとして中村をのびのびとプレーさせることが出来なかったことが大きいと思う。

宇佐美が中村と同じ年の頃には、J1リーグで7得点を挙げたけど、
あの頃は、チームに宇佐美をのびのびとプレーさせるだけの余裕があったからね。

運動量が少ないなどの批判もある中村だけど、
家長や宇佐美、堂安といった選手たちを見てきている我々ガンバサポーターであれば、
中村が才能のある選手だということは理解しているはず。

千葉県出身、三菱養和ユースで育った中村が、
何のゆかりもない大阪のクラブを選んでくれたのも何かの縁だし、
我々にはこの才能を育てて世界に送り出す義務がある。



次節はアウェイで柏と対戦。

ここまで来たら次節で10連勝といきたいところだけど、
今節、9年ぶりのJ2降格が決まった柏は、
幸か不幸か残留争いのプレッシャーから解放されている。

それこそ、ガンバがJ2降格した2012年シーズンの天皇杯で決勝進出したように、
精神的に開き直って彼ら本来のパフォーマンスを発揮する可能性がある。

ただ、今のガンバはそんな柏を退けるだけの力を備えているはず。

今節、ゴールを奪えずに連続ゴールが6試合でストップしたファンウィジョが、
日立台でチームを勝利に導くゴールを挙げてくれることを期待している。




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2018年11月20日

夢の続きは年明けのUAEで



日本40キルギス


先日のベネズエラ戦後のブログにも書いたけど、
この試合の位置付けってチームの強化と言うよりも、
アジアカップ前最後の試合に快勝してチームを景気づけるものだという認識なので、
4-0という結果だけ見れば目的は果たせたかのように思う。

ただ、内容を見ると、2-0から3-0になるまでの間の時間帯は、
伊東純也に二度ほどビッグチャンスが訪れたものの、
決して良い戦いが出来ているとは言い難かった。

そんな閉塞感を打破したのは、杉本と伊東に代わり、
大迫と堂安が投入されたあたりからだったように思う。

その後、北川と原口に代えて南野と中島がピッチに送り出され、
NMD+大迫のユニットが完成すると、見違えるように日本の攻撃に躍動感が生まれたね。

しかしながら、ベネズエラ戦ではNMD+大迫がピッチを退いてから攻撃が停滞したように、
これは今の日本の攻撃がNMD+大迫ありきであることを、
露呈してしまう結果にもなったと思う。

アジアカップでは、NMD+大迫のユニットに
割って入ってくる選手の登場に期待したいね。



守備陣に関しては、
キルギスが日本相手にほとんど攻撃の活路を見出せなかったこともあり、
この日はアピールが難しかったと思う。

先月のウルグアイ戦で痛恨のパスミスを犯した三浦が、
ソツなくこなしていたのはガンバサポとしてはホッとする要素だったけど、
セットプレーからヘディングシュートを放つ場面があったものの、
二本とも得点に繋がらなかったのは悔やまれるところやね。

そんな守備陣に於いて、最もアピールに成功したのは、
この日、左SBのポジションに入った山中だろう。

A代表初キャップだったにもかかわらず、前半2分に先制ゴールを挙げると、
その後も果敢なオーバーラップやセットプレーで、攻撃に於いて見せ場を作っていたし、
ポスト長友の一番手に急浮上してきた感があるね。

また、所属のマリノスで見せているような、
サイドから中央に入って来てビルドアップに参加する姿が代表でも見られれば、
代表の戦い方の1つのオプションになるだろうしね。

もっとも、それをやろうと思ったら、
右のSBにはセットで松原を起用する必要も出てくると思うけども。



これで2018年の日本代表の活動は全て終了。

代名詞である可変式3バックには取り組まず、
オーソドックスな4-2-3-1で戦っているあたり、
まだ森保一の色は出ていない感はあるけど、
総合的に見ればポジティブな感触を残して、
年内の活動を終えることが出来たんじゃないだろうか。

今夏のロシアW杯では、下馬評を覆してベスト16に進出するなど、
我々に夢を見せてくれた日本代表だけど、
来年の1月に行われるアジアカップでもまた夢の続きを見せてくれるはずだ。



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2018年11月17日

国内でアウェイの洗礼の予行練習が出来てよかったと思っておく



日本11ベネズエラ


選手を乗せたバスが大分銀行ドーム周辺道路の大渋滞に巻き込まれ、
スタジアム到着が遅れたことで、ロクにアップも出来ずに始まったこの試合。

ただ、ベネズエラも同じ条件なので、
試合内容に影響は出ないだろうと思っていたし、
実際、スタジアム到着が遅れたことが、
選手たちのパフォーマンスに悪影響をもたらしたようには見えなかった。

どちらかと言うと試合内容よりも、アップ不足でケガ人が出ないか心配していたけど、
誰も負傷交代せずに試合が終わったあたり、その心配は杞憂だったようだね。



この試合でも、森保体制の代名詞となった中島、南野、堂安の、
通称・NMDがスタメンに揃い踏み。

レアルマドリードのBBCとバルセロナのMSNを思いっ切り意識したネーミングだけど、
代表の試合は、普段サッカーを見ない人も見ることが多いので、
そんなライト層に訴えかけるにはちょうどいいセンスなのかもしれない。

実際、このNMDに大迫を絡めたユニットが、
森保体制の攻撃の肝であることは、この試合を見る限りでも明らかだった。

それは前半のチームパフォーマンスからだけでなく、
後半、選手交代でNMDと大迫がベンチに下がってから、
日本が全くと言っていいほど攻撃の形を作れなくなったことからも十分に窺える。

2列目に関しては伊東や経験のある原口もいるし、
今回は招集されていないけど久保や鎌田あたりもいるからそんなに不安は無いけど、
杉本に大迫の代わりが務まらないのはわかり切っている話なので、
大迫のバックアップというアジアカップに向けての課題が見えた試合だったね。



試合に関しては、前半の終了間際に酒井宏樹がセットプレーからゴールを挙げたものの、
日本に訪れた決定機を何度も逸しているうちに、
決められるところで決めておかないとこうなりますよとばかりに、
PKで同点に追いつかれてしまった。

また、ベネズエラにPKを献上したのは日本の先制ゴールを挙げた酒井宏樹だったあたり、
合わせて欲しくない帳尻が合ってしまったね。

試合終了間際に伊東純也のクロスを吉田麻也が頭で合わせ、
勝ち越しと思われたゴールがオフサイドの判定で取り消されるという、
盛り上げ要素はあったものの、結果はドロー。

試合が終わってみて思うのは、相手のGKが当たっていたのもあるけど、
堂安と中島に訪れた決定機はモノにして欲しかったなと。



次戦は豊田スタジアムでキルギスと対戦。

せっかくの国際親善試合なのだから、
アウェイで強い国と対戦するべきだという意見もあるけど、
この試合が来年1月のアジアカップ前の最後の試合になるので、
確実に勝てそうな相手と試合をして快勝することで、
良いイメージを持って大会に臨むという意味では、日本のニーズに沿った相手だと思う。

ただ、豊田スタジアムは日本代表の勝率が悪いというのが気掛かりではあるけども。




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2018年11月10日

遠藤保仁J1通算600試合出場に寄せて



ガンバ大阪10湘南ベルマーレ


フォルツァ ヤット 俺たちの夢乗せ
フォルツァ ヤット 勝利を掴み取れ

THE BLUE HEARTSのリンダリンダのメロディに乗せて歌われる、
遠藤保仁のチャントを知らないガンバサポはいないだろう。

2001年に京都パープルサンガからガンバ大阪に移籍して17年、
背番号7番はその猫背気味の背中に、
我々ガンバサポーターの夢を乗せて戦ってきた。

北摂にやってきた当初、青と黒のユニフォームの左胸に1つも無かった星は、
今や9つを数える。

ガンバの試合を見に行くと必ずと言っていいほどスタメンには遠藤保仁の名前があり、
ユニフォームの星が増える瞬間は、いつだってピッチの上には遠藤保仁の姿があった。

そんな鹿児島が生んだ稀代の名手に対しては、深い敬意と、
多くの勝利を届けてくれた感謝の気持ちを持っている。



ただ、ここ数年、特に今季の序盤の遠藤のパフォーマンスは、
お世辞にも良いとは言えないものだった。

当時のガンバはチームとして多くの問題を抱えていたので、
遠藤1人の責任ではないのは理解しているけど、西野朗政権下で、
圧倒的な存在感を以って中盤を支配していた頃の遠藤保仁を知る者としては、
一抹の寂寥感を感じることもあった。

「もう限界なんだろうか」

そんな声もちらほら聞こえ始め、
僕自身もこのブログで厳しいことを書いたこともあった。

しかしながら、今野の戦線復帰以降、
本来の輝きを取り戻しつつあるマスターオブガンバを見ると、
“その時”が来るのはまだ先のようにも思える。

もしかしたらユニフォームの上に10個目の星が加わる瞬間も、
遠藤保仁はピッチの上に立っているかもしれない。



この日の湘南戦は押し込まれる展開が長く苦しい試合だったけど、
ファンウィジョのゴールで節目の試合を勝利で飾ることが出来た。

そろそろ慢心が出てくる頃かと思っていたけど、
宮本恒靖は上手くチームのモチベーションをコントロールできているように感じる。

次節はホーム最終戦の長崎戦。

あと2ヶ月ちょっとで39歳になる男は、
いつまで我々の夢を乗せて戦ってくれるかはわからないけど、
少なくとも601試合目も彼の背中には我々の夢が乗っかっているはずだ。




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2018年11月3日

埼玉スタジアムで残留争いに別れを告げる



埼スタ行って来ました。




ガンバ大阪31浦和レッズ


開幕から低空飛行を続けていた今季の前半のガンバと、
この試合で浦和に勝利し7連勝を達成した今のガンバは、
本当に同じチームなんだろうか。

今季の前半であれば、同点にされた時点で逆転される予感しかしなかったけど、
この試合では興梠に同点ゴールを許した時でも、不思議と負ける気はしなかった。

それだけ今のガンバは安心して見ていられるね。



この試合に臨むにあたり、懸念材料だったのが東口の欠場。

林のことを信頼していないわけでは無いけど、
これまで浦和戦で神懸かり的なセービングで我々に勝利をもたらしてくれた、
“エース”の不在を「痛くない」なんて言うなら、
それは我らが背番号1に対して敬意を欠く行為だ。

同点ゴールの場面こそキャッチして欲しかったと思うけど、
前半に決定的な場面を2本止めたこともあり、
この試合の林は十分に東口の穴を埋めたと言ってもいいだろう。



ただ、この試合に関しては、守備陣よりも攻撃陣のパフォーマンスを称えたいと思う。

埼スタが騒然とした小野瀬のスーパーゴール、
ファンウィジョの1人カウンターからの勝ち越しゴール、
そして、古き良きガンバを彷彿とさせる、
ペナルティエリア内でのパスワークからのアデミウソンのゴール。

この日、ガンバが挙げた3つのゴールは、いずれも素晴らしいものだった。

ただ、直近で6連勝を挙げていたものの、ロースコアの試合が多く、
1試合3得点は4月のホームでの鳥栖戦以来だとか。

ロースコアの白熱した試合も見応えがあるけど、
ガンバサポは本質的に攻撃が好きな人が多いと思うので、
複数得点の試合は定期的に開催を希望したいね。



それにしても、今のガンバの攻守のバランスの良さは、
クラブ史上最多の勝ち点を獲得した2011年シーズンを彷彿とさせるものがある。

ただ、あのシーズンのガンバは、トークショーのゲストとして、
この日埼スタを訪れていた西野朗のガンバでの集大成とも言えるチームだったけど、
今のガンバはまだ伸びしろを残している感がある。

と、言うのも、今季は夏にキャンプを行わなかったことで、
90分間走り切るスタミナに課題があるため、
前半と後半で異なるプランで試合を進めているけど、
逆に言えば、夏場にしっかりとした準備が出来ていれば、
もっと強いガンバを目の当たりにしていた可能性があるということだからね。

まあ、そろそろ研究されてくるだろうから一筋縄じゃ行かなくなってくるだろうけど、
宮本恒靖がこのチームをどれだけ高いところに導いてくれるのか、
今後が楽しみでならない。


次節はホームで湘南と対戦。

先日のルヴァンカップ決勝で見事タイトルを獲得した湘南だけど、
ルヴァンカップの決勝から中2日での試合が2試合続いたことで、
前節と今節で勝ち点1しか挙げられず。

ただ、吹田には中6日と休養十分で乗り込んでくるので、
彼らの運動量に屈しない戦いを期待したいね。




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