2014年11月29日

大鳴門橋の向こうにシャーレが見えた



ガンバ大阪31ヴィッセル神戸


残り1節というところで遂に首位浮上。

埼玉スタジアムで浦和に勝った時点で、
ガンバが神戸と徳島に勝つものだという前提で、
浦和がどこで星を落とすか考えていた人も多いと思う。

まあ、正直、俺もそのうちの1人やったわけやけど、
今月の仙台戦で起こったような事が、
神戸戦でも起こるんじゃないかという不安もどこかにあったんよね。

そんな不安を吹き飛ばしてくれたのは、
水曜日の天皇杯で長い眠りから目を覚ました宇佐美だった。

試合の序盤こそ神戸にペースを握られる時間帯があったけど、
今季の黄金の脚賞に輝いた、東口をはじめとした守備陣の奮闘でこれを跳ね返すと、
宇佐美が前半37分と後半4分にゴール。

天皇杯の清水戦から中2日の過密日程で迎えたこの試合やったけど、
清水相手に得た良いイメージを、神戸相手に体現するには、
これぐらいの試合間隔がちょうど良かったのかもしれない。

2点とも素晴らしいゴールやったけど、
圧巻だったのは、前半43分のパトリックのゴールをアシストしたプレー。

左サイドからドリブルで切れ込むと見せかけて、
2人のDF間にパスを通して、パトリックへの完璧なお膳立てをしたわけやけど、
ドリブルのステップと同じ足の動きから放たれたパスに、
神戸の選手はタイミングが掴めずに反応できていなかったね。



ところが、3点目を挙げてから気持ちが緩んだのかペースを落としたのか知らんけど、
神戸に攻め込まれる場面が増えてしまった。

小川に1点を返され、その後も神戸ペースというのは変わらなかったけど、
この試合はこれ以上失点しないだろうなという気持ちがあったんよね。

だって、得点を期待されて後半から投入されたはずのペドロなんとかさんが、
試合が止まる度にヘラヘラと笑いながら遠藤と談笑しているだもん。

消化試合モードに突入して、
試合へのモチベーションの持って行きどころに苦労するのはわかるけど、
1点返した後、喜びもせずに走って自陣に戻って行った小川が不憫に思えてしまったね。



次節は徳島とアウェイで対戦。

自力で優勝を決められるところまで来たわけやけど、
まだ何も勝ち取っていない。

2007年の浦和のような事が、ガンバに降りかからないとも限らないけど、
この試合を見る限り、選手はしっかりと地に足を付けて戦ってくれそう。

来週は、キャプテン遠藤が高々とシャーレを徳島の空に掲げる瞬間を、
目に焼き付けてきます。




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2014年11月27日

元日じゃない国立じゃないピッチに辿りついた



青くライトアップされた、魔境・味の素スタジアム。


これを綺麗だと思える感情は、俺の中に全く無く、
闇夜に不気味に照らし出された要塞のように見えたのは、
被害妄想が過ぎるんだろうか。

ただ、この日、ガンバサポが陣取った場所が、
何度も辛酸を舐めさせられてきたアウェイゴール裏ではなく、
ホームゴール裏だった事が、味スタの魔力を弱めたのかもしれない。


ガンバ大阪52清水エスパルス


土曜日のリーグ戦から3人スタメンを入れ替えたガンバに対し、
清水は9人の入れ替え。

これだけ選手を入れ替えると、さすがに個の力の差は明確で、
前半の早い時間に宇佐美とパトリックが立て続けにゴールを決めて、
あっさりと2点リードを奪ってみせた。

早々に楽勝ムードが漂う中、ここから清水の反撃に遭い、
加々美と高木次男にゴールを決められ、試合は振り出しに。

やはり、味スタの試合では一筋縄ではいかないと思ったけど、ここからズルズルいかず、
倉田のクロスから、パトリックが1点目と同様に圧巻の高さと強さを見せて、
再びリードを奪ったことで、悪い流れを前半のうちに食い止めることができたね。



この日の左サイドは、昨季のレギュラーである倉田と藤春のユニットやったけど、
高い位置でワンツーや細かい連携で崩そうとして失敗し、
被カウンターの起点になっているように見えた。

藤春に関しては、次節の神戸戦のスタメンが濃厚やねんから、
もっと奮起して欲しいね。

その2人の後ろに控える左CBは金正也に関しても、
安心して見れるとまではいかなかったけど、
最近の岩下も大概やから、さほど気にならんかったかな。

むしろ、相棒が安定感を欠いているせいか、
最近の丹羽が頼もしく見えてきているのは俺だけだろうか。



ハーフタイムを挟んで迎えた後半は、
5ゴールが飛び交った前半とは打って変わって落ち着いた内容やったけど、
パトリックの落としから宇佐美が見事なループを決めて、4-2。

ここ最近、ゴールから遠ざかっていた宇佐美やったけど、この日は2得点。

得点以外の場面でも動きが良く、閉じていたケチャップの蓋が外れて、
ドバドバ出だす予兆みたいなものを感じたし、
次節の対戦相手は相性の良い神戸なので、是非とも期待したいところ。

そして、氷雨の降る中、平日の味スタに足を運んだガンバサポを、
最後に沸かせたのは仕上げのリンス。

11月26日(良い風呂の日)にリンスが仕上げるなんて、
どういう縁なんだろうかって思ってみたりしたけど、
よく考えたら、清水は7月と9月のリーグ戦でもリンスに仕上げられてるから、
このままやと髪の毛がサラサラになるどころか、
オーバートリートメントで毛穴が詰まってハゲそうやな。


これでガンバは元日じゃない国立じゃないピッチに辿りつく事ができたね。

対戦相手は山口率いる千葉・・・ではなく、山崎と川西を擁する山形。

特に最近の川西の活躍はよく伝え聞くところやし、
対戦が楽しみではあるけど、天皇杯決勝の事を考えるのは、
来月の徳島戦が終わってからでも遅くは無いし、
それはJ1昇格POを控える山形にとっても同じ事。

今は、直近の目標にそれぞれ集中し、お互いに目的を達成した状態で、
12月13日の今季最後の試合で顔を合わせましょう。


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2014年11月23日

優勝争いの期間、2週間延長でお願いします



埼スタ行ってきました。







写真のアングルを見てもらえば分かる通り、
アウェイゴール裏のチケット争奪戦に敗れてしまい、
バックアッパースタンドで観戦してました。

周囲は赤い人たちがほとんどだったけど、
青いユニフォームを着た人も何人かいたので、
四面楚歌って感じにはならずに心強かったね。


ガンバ大阪20浦和レッズ


ここ数年、観客動員が減少傾向で、
埼スタにかつての雰囲気が無くなってきているなと感じていたけど、
少なくとも、この試合のスタジアムの雰囲気は、
2006年の最終節に味わったものに近いものが感じられた。

まあ、前節が終わってからの3週間、メディアがこぞって、
優勝が懸かった大一番と煽ったおかげっていうのもあるんやろうけど。

そんな雰囲気の中で行われた試合と言うだけあって、
浦和の選手はとても気合いが入っていたこともあり、
試合の大半に於いて、ガンバは劣勢を強いられることになってしまった。

ただ、セカンドボールの出足も良く、
球際もファイトしていた浦和の選手に足りなかったのは、
ゴール前での責任感だろうな。

シンプルにシュートを打っておけばいい場面で、
無駄に手数を掛けてチャンスを潰してくれていたおかげで、
ボールを支配される時間が長かった割に、
ゴールを脅かされる場面はそれほど多くなかったしね。



「両チームのGKが良いと締まった試合になる」という言葉があるように、
この試合も例に漏れず、東口と西川が共に攻守を見せた事で、
均衡が破れずに終盤まで時計が進んだわけやけど、
このまま引き分けかと思われた試合を動かしたのは、
パトリックに代わって途中出場していた佐藤だった。

浦和のFKのこぼれ球からのカウンターで、
宇佐美に代わって途中出場していたリンスのパスから、
佐藤がゴール右隅に決めた作品。

思えば、今季の序盤戦はこの2人の2トップやったけど、
その時は、こんなカウンターで得点する日が来るとは、思ってもみなかったな。



試合終盤に1点リードした事で、
後はコーナーキープして逃げ切りっていう意図が見て取れたけど、
ひょんな流れから今野から倉田へボールが繋がり、
倉田が左足のシュートで西川の脇を破ってみせた。

リンス、佐藤、倉田と、途中出場の選手が結果を出したことで、
長谷川監督としてはしてやったりやろう。

試合前は、浦和の布陣が3バックだということで、
ナビスコカップ決勝の広島戦で散々ボロが出た、
ダイヤモンド型の中盤を採用してくるのかなと思ってたら、
蓋を開けたら、いつもの慣れ親しんだ4-4-2でスタート。

選手交代も、布陣変更では無く、同じポジションの選手を交代だったので、
一見、消極的な采配に見えがちやけど、
相手を意識せず、あくまで自分達の良さが一番出る戦い方を突きつめて、
大一番に臨んだ長谷川監督の英断は素晴らしかったと思う。

対するペトロヴィッチは、引き分けでも良かった試合だったはずが、
最後まで勝利を狙って前掛かりに戦ったことで、
ガンバに付け入る隙を与えてしまったという印象かな。

まあ、これがこの人のブレない信念なんやろうけど、
その信念が、今までタイトルを獲得した事が無いっていう、
事実に繋がっている気もするけどね。

あと、ガンバサポの俺が気にする事でも無いんやろうけど、
興梠は誰の目にも試合に出れる状態じゃなかったと思うんですけど?



この試合に勝って、優勝が決まったような気分でいる人も多いと思うけど、
浦和との勝ち点差はまだ2あるのが現実。

他力本願の状況は変わらないけど、浦和の次節以降の星勘定を気にする前に、
神戸と徳島相手にきっちり2つ勝って天命を待ちましょう。



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2014年11月19日

セレッソが長居に溜め込んだストレスを日本代表が発散させた



日本21オーストラリア


1週間以上前に来日し、金曜日のインターナショナルマッチをスキップして、
この試合に臨んできたオーストラリア。

随分とリスペクトしてくれたもんだ。

アギーレ体制でこれまで対戦してきた相手の中で、
間違い無く一番やる気のあったチームやったと思う。

それだけに、日本の事をよく研究してきていて、
中央に人を集めて、中央に偏りがちな日本の攻撃をシャットアウトし、
アンカー長谷部の横のスペースを使って攻撃を展開すれば、
ボールの奪いどころが定まらない日本守備陣の間隙を突き、
アタッキングサードまで持ち込む場面が多かった。

縦一本で岡崎を狙う攻撃を繰り出しても、高めに設定されたDFラインと、
GKの積極的な飛び出しにより効果的な攻撃にはならなかったね。

ナビスコカップ決勝の前半ように、
遠藤がサイドに流れて起点を作るなどの変化をつけてみたものの、
パトリックのゴールを生み出したような効果は出ず、
攻守に両方において、採用して日が浅い4-3-3の完成度の低さが露呈されてしまったね。



この状況を見かねたアギーレは、
遠藤と長谷部のダブルボランチにし、長谷部の横のスペースを埋め、
香川をトップ下に配置し、両サイドの本田と武藤をワイドに開かせることで、
中央に人数を掛けてきたオーストラリアの守備陣を外に吊り出そうとしたね。

結局、ザッケローニ体制で慣れ親しんだ4-2-3-1になったわけやけど、
この布陣変更が的中。

自分の持ち味を一番発揮できるポジションに入った香川が、
自由に動いて、ゴール前の狭いエリアで何度もボールタッチをすることで、
徐々に日本の攻撃のテンポが上がっていったね。

まあ、香川に関しては、
相変わらずそこのポジションしかできへんのかっていう
気持ちも少なからずあるんやけど。

ただ、中央でちょこまか動き回る香川を見てると、外に開いた本田を見れないし、
その逆もまた然りと言う感じで、オーストラリアのDF陣は、
完全に対応に困っているように見えた。

どうやら、オーストラリアは日本の4-3-3に対する対策は十分だったみたいやけど、
プランB、プランCを用意してなかったみたいね。



試合の主導権を握ったものの、
なかなか得点を奪えない展開が続いていた日本やったけど、
均衡を破ったのはセットプレー。

本田の蹴ったCKに対し、ゴール前にいたほとんどの選手がニアに突っ込む中、
誰も触れられずにファーに流れてきたボールに、ドフリーで合わせたのは、
後半から遠藤に代わって投入されていた今野。

浦和との大一番を前に代表に召集されたので、疲労の蓄積が心配やったけど、
2試合のうち、出場したのは2試合目の後半45分だけやったし、
その上ゴールも決めるしで、
今までにないぐらい高いテンションでクラブに合流してくれそうやから、
今回ばっかりは、代表に行って逆に良かったんじゃないだろうか。

これで押せ押せムードになった日本は、
ブラジルW杯直前のザンビアとのテストマッチを彷彿とさせる、
森重の華麗なドリブル突破から、
岡崎がキャラに合わないお洒落ヒールでゴールに流し込み、
2点リードを奪うことに成功。

この一連の2得点には、長居が今年一番沸いたんじゃないだろうか。

普段、Jリーグの試合でこのスタジアムを使っているチームが、
あの体たらくなだけに。



このまま何事も無く試合をクローズし、
年内最終戦を終えたかったところやったけど、
日本との対戦でこの男が黙っている訳がない。

ドイツW杯で日本に辛酸を舐めさせたチームからは、
すっかり雰囲気が変わってしまったけど、あの頃から唯一変わらないものは、
ゴール前でクロスを待ち構えるティム・ケーヒルの姿。

ケーヒルをフリーにしてしまった森重の対応はいただけないけど、
ファーサイドでバックステップを踏んでマークを外し、
頭で捕えたボールをゴール右隅へコントロールする一連の流れは、さすがの一言。

前回のアジアカップの決勝で相まみえたように、
再来月のアジアカップでもオーストラリアと対戦する可能性は十分にあるので、
ケーヒルの怖さを改めて再確認できたのは良い経験になったはず。

それに、本大会前に気を引き締め直す意味でも、
一発殴られておいた方が良かったのかもしれないと、ポジティブに捉えましょう。



これで年内の日本代表の試合は終了。

ただ、Jリーグに関しては12月まで盛り上がってもらわないと困るわけで。

遠藤と今野にはこの代表戦2試合で改めて日本中に示した存在価値を、
今週の土曜日、埼玉でも見せつけて欲しい。

それができれば、試合後に6万人が静まり返る様を目撃できるでしょう。




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2014年11月15日

グランパスが豊スタに溜め込んだストレスを日本代表が発散させた



ナビスコカップ優勝の余韻に浸りながら、この1週間を過ごす予定が、
日曜日から風邪を引いてしまい、
熱&腹痛&酷い鼻づまりと戦いながら1週間を過ごす羽目に。

そして、ようやく風邪が治ってきたなと思ったら、もう代表戦とな。

1週間が経つのは早いもんだねぇ。


日本60ホンジュラス


アギーレ体制以降、低調な試合を続けていた日本代表の姿はどこへやら、
どこぞの強豪かと思わせるスコアで快勝。

この試合が行われた豊田スタジアムは、日本代表の勝率が悪いだけでなく、
今季の名古屋が勝利を挙げれていない事が示すように、
ホームチームが不利という不吉なデータが存在していたけど、
そんな試合前の不安は杞憂に終わったね。

まあ、ホンジュラスのモチベーション云々の話をしてしまえばそれまでやけど、
日本が苦戦を強いられたベネズエラやジャマイカが、
高いモチベーションをもって来日したとも思えないので、
この結果は素直に評価してもいいんじゃないかな。



そんな日本代表の快勝に大きく貢献したのが、
ブラジルW杯以来の代表スタメン復帰となった遠藤と長谷部やと思う。

遠藤に関しては、豪快なミドルで日本の3点目を叩き出したことで、
攻撃面での貢献度がクローズアップされがちやけど、
2人とも守備が素晴らしかったね。

先月のブラジル戦では、
パスの出し手にも受け手にも全然寄せれていなかった事を思うと、
ピンチになりそうなところで素早く間合いを詰め、
時にファウルを犯してでも未然に相手の攻撃を食い止める2人の姿は、
さすが試合の勘所を押さえているベテランやなと思ったね。

そして、良い守備が出来ている時は、往々にして良い攻撃が出来るもの。

特に、長谷部のパスカットから本田が裏に抜け出して決めた、
日本の2点目のゴールはその象徴のようなシーンだったね。



攻撃に関しては、ザッケローニが監督だった頃は、マイボールを大事にし、
試合の主導権を握りながら攻めるというのが日本のスタイルだったけど、
アギーレが監督になってから、ボールを奪ったら前線に素早くフィードするという、
スタイルにシフトしている。

この日も縦に速くという傾向が強く、結果的にそのやり方がハマったけど、
強豪として臨むアジアカップでは、日本相手に守りを固めてくるチームが多いので、
この手は通用しないんじゃないかという気はするけどね。

そういう守備を固めてくるチームと対戦した際に、
ザッケローニ時代にやっていたサッカーを思い出せるかどうかが、
アジアカップ連覇のカギになるんじゃないかなと、個人的に思う。

でも、ポゼッションサッカーをやるとなると、
単調なパス回しに変化をつけられる遠藤の存在は必要不可欠になってくるので、
ブラジルW杯が終わって、ようやく遠藤がガンバに専念してくれると思っていた
ガンバサポとしては複雑なんやけどね。

柴崎よ、君はいつになったら遠藤からポジション奪えるんだい?




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2014年11月9日

「ナビスコ制覇は序章に過ぎなかった」とシーズンオフに言っていたい



埼スタ行ってきました。






ガンバ大阪32サンフレッチェ広島


「俺達が1番だ!!」

試合前のスタメン発表後に叫んだ仙石さんの口上は、
7年前と同じものだった。

ただ、2005年にリーグを制覇し、2008年のアジア制覇に至るまで、
一つの時代を築いている過程だった7年前とは、
ガンバを取り巻く状況は大きく変わった。

2012年にJ2降格を味わい、1年でJ1への復帰を果たすも、
苦戦を強いられた今季序盤戦。

ブラジルW杯によるリーグ中断明け以降の快進撃により、
西野時代と比較する声も聞こえるようになってきたけど、
今のガンバは何も手にしていないチームである。



対する広島は、ガンバがアジア制覇した2008年はJ2で戦っていたけど、
一昨年、昨年とJリーグを連覇し、勝者のチームとしてガンバと対峙した。

カップ戦の決勝では勝てないというジンクスがあるらしいけど、
さすがにここ数年、多くのビッグマッチを経験してきているだけあって、
試合に落ち着いて入れていたのは広島だったね。

時間が経つにつれて、徐々にガンバもボールを繋げるようになってきたけど、
ペースを掴めそうな時間帯に岩下がペナルティエリア内でハンドを取られ、
PKを献上してしまう。

正直、VTRで見ても触ってるかどうか微妙なところだったのに、
主審の西村さんの目には一体どう見えていたのだろうか。

このPKに対し、東口はコースを読んでいたものの、
外に弾きだすことができず、佐藤寿人に決められてしまった。

その後も悪い流れを止めることができず、
またも岩下がクロス対応で痛恨のクリアミスを犯し、
佐藤寿人に2点目のゴールを許してしまった。



この日のガンバは対3バック用システムである、
中盤をダイヤモンド型にした4-4-2で広島と相対したわけやけど、
3ボランチが、今野、阿部、明神の3人だとパスを捌ける人がいないので、
リードして自陣に引き籠った広島に対し、
なかなか縦にパスを入れられない状態に陥っていた。

それに、広島はサイドを広く使って攻撃してくるので、
3ボランチがサイドに広げられて、パスを繋ぐにもプレスに行くにも、
距離感が悪くなっているようにも見えたね。

おそらく、パスを捌けて守備範囲が広いボランチがいなければ、
このシステムは機能しないように思える。

そう考えると、来季の補強の話で、
清水の本田拓也の名前が挙がってくるのも、なんとなく納得できる話。
(この日の対戦相手の広島のキャプテンも適任だと思うけどね)

ただ、今のガンバには本田拓也はいないので、1点ビハインドになったところで、
今野と明神のダブルボランチにし、遠藤を左サイドに出して応急処置。

これが結果的に、
反撃の狼煙を上げるパトリックのゴールに繋がることになったわけやけども。



反撃を期すガンバは、後半から明神に代えて大森を投入し、
遠藤をボランチに下げて、今野とダブルボランチといういつもの布陣に戻したね。

この布陣変更が見事に的中。

宇佐美のアシストからパトリックがこの日2点目のゴールを挙げ、
試合を振り出しに戻せば、交代で入った大森が公式戦3戦連発となるゴールを決め、
瞬く間に試合をひっくり返してみせた。

清水時代、相手を必要以上に意識するあまり策に溺れ、
ここ一番で弱いという汚名を着せられていた長谷川健太の姿は、
少なくともこの日の埼玉スタジアムには無かったね。


時計の針が午後三時を指そうとした頃、
ガンバの7年振り2度目のナビスコカップ制覇を告げる、
試合終了の笛が曇天の浦和美園に響き渡る。

1年前、J1復帰が決まった時に、
またタイトルを獲得できればいいなと思っていたけど、
まさかこんなに早く機会が訪れるとは思ってもみなかった。

勝利の歓喜に酔いしれるとともに、
西野監督時代に味わったあのワクワクした時間が、
また戻ってくるような予感がしてそれが楽しみでならない。

その予感を確信に変えるためにも、しばらく勝利の余韻に浸った後は、
2週間後に同じ場所で同じことをするのみです。



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2014年11月2日

東口の手からすり抜けていった勝ち点2



ガンバ大阪11ベガルタ仙台


後半ロスタイムの失点で痛恨のドロー。

柳沢のシュートを丹羽がブロックに行き、足に当たってコースが変わったところ、
東口がセーブし切れず、ゴールマウスに吸い込まれていってしまった。

でも、この試合のこれまでの東口と丹羽のパフォーマンスを考えると、
2人を責めることは酷な話。

どっちかと言うと、1点リードで試合終盤に差し掛かっているのにも関わらず、
大森が強引な中央突破を試みてボールロストしたシーンに象徴されるように、
1点を守り切るのか、追加点を狙いに行くのかというところで、
チーム全体が意識を共有できていなかったのがマズかったと思う。

前節のFC東京戦で、鬼のようなコーナーキープで、
ロスタイムを消費したのを見たばっかりだけに、余計にそう感じたね。



前半は、仙台の出足が良く、セカンドボールを拾えず、
仙台にペースを握られる時間が長かったけど、
「このプレスを90分間続けるのは難しい」というのは、
解説の木場さんの言葉。

その言葉通りに、後半開始直後に仙台の寄せが甘くなったところ、
スルスルと前線に顔を出した遠藤のパスから大森が決めて、ガンバが先制に成功。

1回シュートフェイントで相手DFを滑らせておいてからの、
コースを狙ったシュートという一連の流れは見事。

昨年、西京極でゴールを決めるまで、
あれだけゴールを挙げることに苦労をした大森が、
宇佐美とパトリックの決定力に陰りが見えてきたここに来て、
2試合連続でゴールネットを揺らすなんて、なかなかに感慨深いものがあるね。

その後も、ガンバに決定機が続くものの、
この時間帯に追加点を奪えなかったのが、
結果的に勝ち点2を失うことに繋がってしまった。

宇佐美の見事なミドルシュート2本が、
それぞれポストとクロスバーを叩いてしまったように、
今日は「持ってない」日だったんだろうな。



明日の浦和とマリノスの試合の結果がまだわからないけど、
ここで勝てば暫定首位に浮上して、浦和にプレッシャーを与える事もできたのに、
優勝争いをみすみす盛り下げてしまった感は否めないね。

まあ、今節、浦和がマリノスに勝ったとしても、
次節、真っ赤に染まる埼玉スタジアムでの直接対決で勝てば、
まだ優勝の行方はわからないので、気持ちは切らさずにいてほしいね。

その試合が行われる頃には、真っ赤に染まらない埼玉スタジアムで、
今季1つ目の優勝トロフィーを既に手に入れていることでしょう。




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