2016年12月3日

鹿島を勝利へ導いたペトロヴィッチ



浦和レッズ12鹿島アントラーズ


お互いに様子を窺いながら試合を進めていた1stlegとは打って変わって、
チャンピオンシップを制するためには、
2点以上を奪ったうえでの勝利が必要な鹿島が、
序盤から前掛かりに出たことで、早い時間帯から動きの多い試合になったね。

また、1stlegでは、家本の神経質な笛が、
試合を細切れにしていた感があったけど、
この試合を裁いた佐藤隆治主審が、上手く試合をコントロールしたことで、
お互いに攻守の切り替えが早く、球際の激しい好ゲームを見事に演出したね。

両チームのファン以外の人が見ても満足できる、
好ゲームだったんじゃないでしょうか。



この試合の先制点は浦和。

右サイドからの高木のクロスを、ファーでフリーになっていた興梠が、
見事なボレーで鹿島のゴールマウスを陥れたね。

このゴールは、アタッキングサードで興梠と入れ替わるような形で、
ニアサイドへ走ってマークを引きつけ、ファーの興梠をフリーにした、
武藤のフリーランニングが秀逸だったね。

すると、やられた側の鹿島が、
前半の終盤に、同じような形のゴールで同点に追いついたのは面白かった。

遠藤康が利き足とは逆の右足で上げたクロスに対し、
ファーでフリーになっていた金崎が頭で押し込んだものだったけど、
この場面では柴崎がニアへ走ってマークを引きつけていたからね。

同点に追いついたことで勢いづいた鹿島は、
後半34分に、鈴木優磨が槙野に倒されて得たPKを、
金崎が決めて逆転に成功。

1点リードして、残りの時間で茨城県の南沿岸部に伝わる伝統芸能、
鹿島るを披露し始めた鹿島の選手たちの前では、
リーグ戦で鹿島に勝ち点差15をつけていた浦和ですら無力だったね。



アウェイで行われた1stlegで勝利し、ホームで行われた2ndlegでも先制し、
圧倒的に有利と見られていた浦和が敗北。

ここ数年、終盤の失速でタイトルを獲得できずにいた浦和だったけど、
10月のリーグ戦とルヴァンカップの決勝で目の当たりにした浦和からは、
憎たらしいほど強かった2000年代中頃の雰囲気が感じられたので、
正直、この結果は意外だった。

結果的に、槙野のPK献上が試合を決定づけることになってしまったけど、
この試合の戦犯はペトロヴィッチだったのは火を見るよりも明らか。

前半のうちにタイスコアに戻されたとは言え、
チャンピオンシップ制覇のために鹿島はあと1点必要な状況だったので、
有利なのは浦和の方だったはずなのに、
何を思ったのか、青木、駒井、ズラタンと、
バタバタと交代カードを切って、チームのバランスを崩し、
みすみす鹿島に付け入る隙を与えてしまった。

2年前のリーグ32節や、今年の元日の天皇杯決勝などで、
ガンバサポーターは既視感のある光景だったんじゃないだろうか。

リーグで勝ち点74という素晴らしい成績を残したけど、
これはあくまで浦和の選手達の頑張りによるもので、
この監督自身は何も成長していないんじゃないかと思わせられる試合だったね。



昨季は、年間勝ち点1位の広島が順当にチャンピオンシップを制したことで、
理不尽な状況は起きなかったけど、
今季は、2ステージ制というルールにより、
リーグ戦3位の鹿島が年間チャンピオンという、
歪な状況が出来上がってしまった。

そして、その2ステージ制の被害者になったのは、
2ステージ制復活に一番反対していた浦和だったというのは、
何と言う皮肉だろうか。

まあ、来季からはまた1シーズン制に戻るので、
浦和の皆さんは、気を取り直して年間勝ち点1位を目指してください。

ただ、強いチームがずっと勝ち続けられるほど、
Jリーグは甘くないよとは言っておくけどね。















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