2018年7月3日

開きかけていたベスト8への扉



日本23ベルギー


誰が言ったのか知らないけど、
「サッカーに於いて2-0は最も危険なスコア」なんてよく言ったものだと思う。

乾のミドルシュートが決まり、ベルギー相手に2点リードを奪った時、
日本が史上初のベスト8に進出することに、
大いに期待した人も多かったんじゃないだろうか。

かく言う僕もその一人なんだけど、現実はそこから3失点を喫して、逆転負け。

「これが世界との差」という一言で片づけてしまえばそれまでなんだけど、
以前、岡田武史が「神は細部に宿る」って言っていたように、
勝敗を分けたのはディティールの部分だったと思う。

例えば、この試合の川島は、パンチングでピンチを凌ぐ場面が多かったけど、
日本の息の根を止めることになった最後のベルギーのカウンターは、
本田のCKをクルトワが正確にキャッチしたところから始まっているとかね。



思えば、グループリーグ第3節のポーランド戦以降、日本は難しい時間を過ごしていた。

ポーランド戦の後半残り10分のボール回しによる時間稼ぎが、
各国の批判に晒され、日本を取り巻く雑音はこれまで以上に大きかったと思う。

ただ、この試合の選手たちの戦いぶりを見る限り、
ポーランド戦での出来事はもう過去のことと切り替えて、集中して試合に臨んでいた。

対戦相手のベルギーは、タレントの顔触れだけ見る限りでは、
優勝も狙えるほどの選手が揃っているので、守勢に回る時間帯が長かったけど、
球際のところで体を張ってピンチを凌ぎ、前半をスコアレスで終えることが出来た。

後半開始早々の原口の先制ゴールは、
前半に頑張った日本の選手へのご褒美のようなものだったんじゃないだろうか。



その後、立て続けに乾のゴールが決まり、リードを2点に広げることが出来たけど、
ヴェルトンゲンのただの折り返しが、そのままゴールに吸い込まれ、
リードが1点になったあたりから、ベルギーが息を吹き返した。

個人的には、このタイミングで本田を入れて、
試合を落ち着かせるべきだったんじゃないかと思っているんだけど、
ここまで日本の選手たちが良いプレーをしていただけに、動くのは難しかったのかな。

結果的に、本田の投入は、フェライニに同点ゴールを許してからになってしまった。



そして、後半アディショナルタイムにカウンターから悪夢のような失点。

ただTVの前で試合を見ていただけの僕ですらこれだけ悔しいのだから、
ピッチで戦っていた選手たちのそれは想像を絶するものだろう。

このような壮絶な試合からすぐに切り替えるのは難しいと思うけど、
この悔しさがまた日本のサッカーを前進させてくれると信じている。

今大会のメンバーは平均年齢が高いので、
4年後のカタールW杯は、メンバーが大きく変わると思うけど、
正直、ロンドン世代、リオデジャネイロ世代と言ったあたりが、
期待値ほど成長できていないのが懸念点ではある。

ただ、グループリーグ3連敗での敗退が濃厚と思われていたチームが、
日本サッカー史上初のW杯ベスト8進出まであと少しというところまで来るなんて、
誰が予想できただろうか。

ロンドン世代、リオデジャネイロ世代に、東京世代の突き上げが加わり、
4年後、カタールのピッチで日本代表が新しい歴史を作ってくれることに期待したいね。




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