2014年5月25日

アトレティコの冒険は同じ街の大企業の中間管理職に阻まれた



レアル・マドリード41アトレティコ・マドリード


今まで、俺の中のアトレティコのイメージって、
リーガの中でも良い選手は多い方なのに、
試合開始直後と、試合終了間際に失点する癖があって、何かにつけ勝負弱かったり、
バルサ相手に勝利したかと思えば、降格圏のチームにコロッと負けたりという、
試合毎のパフォーマンスにムラがあるチームっていうイメージやった。

ただ、この日、リスボンのピッチに立っていたアトレティコのイレブンには、
かつての軟弱な雰囲気は感じられず、全員が一つの共通理解の下、
ハードワークをこなすという、職人気質のチームになっていた。

そして、アトレティコにそんな劇的な変化をもたらした人物が、
現役時代ヒールで鳴らしたシメオネだったなんて、
それもそれで想像もできなかった。

そう考えると、アトレティコはシメオネを通して、
新しい姿を世に知らしめることができたし、
その逆もまた然りっていう事だったわけね。



試合は大方の予想通り、レアルがボールを保持して、
アトレティコはカウンター狙いの展開。

負傷を抱えながら強行出場したジエゴ・コスタが、
前半早々にアドリアン・ロペスと交代するというアクシデントはあったものの、
アドリアン・ロペスも、こういう事態はありえると予想していたのか、
何の違和感も無く試合に溶け込んだので、大事には至らなかったね。

そして、先制したのはアトレティコ。

CKのボールを一度跳ね返すも、アトレティコがもう一度入れ直したボールは、
ケディラとの競り合いを制したゴディンの頭に合い、ゴールへ吸い込まれた。

レアルとしてはアンラッキーとも言えるゴールやったけど、
そもそも、CKのボールを一度跳ね返した後に、
DFラインを上げきれなかったのが痛かったかな。



追いかける展開になったレアルで気を吐いたのは、
どれだけ活躍しても地味な印象の拭えないディ・マリア。

何度もドリブルで中央を駆け上がってファウルを誘い、
セットプレーのチャンスをもたらすと同時に、
カードを多く貰っていたアトレティコの守備陣に、
ファウルトラブルのプレッシャーを与えていたね。

ただ、そんなディ・マリアが作り出したチャンスを、
ロナウドやベイルといった100億円プレーヤーモノにできず、時間は刻一刻と過ぎ、
守備を固めて逃げ切り態勢に入ったアトレティコの前に、
万事休すかと思われたレアルを救ったのは、セルヒオ・ラモス。

前半に、審判に突っかかって、余計なカードを貰った時は、
「また退場するんじゃないか、コイツ」って思ったけど、
後半ロスタイムにCKから起死回生の同点ゴールを叩き込んで見せた。



かくして、延長戦に突入したわけやけど、
一度、逃げ切り態勢に舵を切ったアトレティコに、
再び攻撃態勢に舵を切り戻すだけの体力は残っておらず、
ディ・マリアや、途中出場のマルセロにやられ放題。

ベイルに勝ち越しゴールを許したのも、
もはや必然の流れだったのかもね。

勝ち越しを許したアトレティコは、さらにマルセロとロナウドにもゴールを許し、
90分間の試合で感じられた緊迫感とは打って変わって、
4-1という大味なスコアでの決着となりました。



レアルは、ジダンの伝説のスーパーボレーで優勝して以来、12季ぶりの欧州王者。

12年前から、またこのタイトルを獲得して10度目の戴冠を達成すべく、
大金をはたいてスター選手を獲得してきたけど、
なかなか届かなかったタイトルにようやく手が届いたね。

それにしても、アンチェロッティのスター選手を扱うスキルは、
どこのクラブを率いても光るものがあるよね。

ミラン、チェルシー、パリSG、そしてレアルと、
クセの強いオーナーが、現場の意向とは関係無く、スター選手を獲得し、
「さあ、これで勝て」とばかりに現場に押しつけてくるチームで、
なんだかんだで結果を残しているからね。

まあ、レアルではアシスタントコーチのジダンの存在も大きかったと思うけど、
アンチェロッティは、まさに中間管理職の鑑と言っても良いんじゃないだろうか。



逆に、アトレティコは、ビッグイヤーに指先が触れるところまで来ておきながら、
同じ街のライバルにそれを掠め取られてしまった。

またリベンジしたいっていう気持ちは選手にあるやろうけど、
財政的な問題で、同じチームで来季も戦えるかどうかわからないのが、
このチームの悩みでもあるよね。

ただ、限られた予算、薄い選手層で、リーガと欧州CLという二兎を追いかけ、
片方を獲得した今季のアトレティコに対しては、
いくつ称賛の言葉を並べても足りないくらい素晴らしかった。

また同じことができるチームを作り上げるのは容易では無いやろうけど、
アトレティコには、またこのタイトルにチャレンジして欲しいと思うし、
このアトレティコの躍進に感化された各国リーグの中堅クラブが、
来季、欧州の舞台を盛り上げてくれることも期待したいね。














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