イギリス旅行記その③としまして、今回はロンドンを離れ、
ストーク・オン・トレントというところまで、
ストークvsマンチェスター・ユナイテッド戦を見に行きます。
ロンドンのユーストン駅始発の、ヴァージントレイン、
マンチェスター・ピカデリー行きに乗って、ストーク・オン・トレントへ向かいます。
車内ではゆっくりできるのかなと思ってたら、
この日は、ノースウェスト地方で、リヴァプールやアーセナルも試合があるため、
ロンドンから、そっち方面の列車は満員御礼状態。
おかげで、ロンドンからストーク・オン・トレントまでの2時間、
ずっと列車の連結部分らへんで立ってました。
ただ、そんな車内においても、窓から見える景色は、リアル世界の車窓から状態。
イギリスって全然山が無いから、牧歌的な風景が広がってます。
時折、牧場が見えて、羊や馬などが歩いてるのを見ると、のどかな気分になれたね。
そして、ストーク・オン・トレント駅へ到着。
試合日には駅前からシャトルバスが出ているので、
それに乗って、ブリタニアスタジアムへ向かいます。
そして、バスに乗って15分ほどで、ブリタニアスタジアム到着。
イギリスは田舎にも、これだけ立派なスタジアムがあるんやなぁ。
ちなみに、ブリタニアスタジアムは、日本で言うところの清水の日本平みたく、
高台にあるため、スタジアムの駐車場から、ストークの街並が一望できます。
なんというか、こんな風景を見せられると、バイクで走りに来たいね。
あと、違和感を感じた人もいるかもしれへんけど、
いつもドンヨリと曇っているイメージのイギリスの空が、
この日は気持ち悪いぐらいに晴れてました。
ブリタニアスタジアムの駐車場には、ストークのレジェンドである、
スタンリー・マシューズの銅像がありました。
まあ、マシューズがどんな選手か知らない人に説明すると、
今や世界最高選手に与えられる賞として有名な、バロンドールの第一回受賞者であり、
そもそも、そのバロンドール自体も、マシューズの功績を称えるために作れらたとも
言われてるんよね。
そして、50歳まで現役を続け、そのプロサッカー選手としてのキャリアで、
一度も警告を受けた事が無いという、
フェアプレーの精神を具現化したような、偉大な選手です。
50まで現役て…カズやゴンもまだまだやれるってことやな。
まあ、その偉大なマシューズ像の前のベンチで、俺はコーヒーを飲みながら、
チーズバーガーをほおばってたんやけども。
そして、入場ゲートに向かう前にスタジアムの前のグッズショップで、
タオマフを購入しました。
ここで驚いたのは、トッテナムやウェストハムでは、
タオマフが£8、マッチデイプログラムが£3.5やってんけど、
ストークでは、それぞれ£6、£3やってんよね。
やっぱり、ロンドンではチームのグッズも少々お高めなんかね?
タオマフも購入し、いよいよスタジアム入場だという時にトラブル発生!
チケットに記載されている、48~50の入場ゲートの番号が、
ホーム側にどこにもないんですが…
もしや?と思いつつ、恐る恐るマンUファンが陣取るアウェイ側の入場ゲートに向かうと、
案の定、そこにお目当ての番号を発見。
ただ、俺は、旅行代理店の人からチケットを受け取った際、
全てホーム側という説明を受けていたので、
てっきりこの試合もストーク側で見るもんだと思い込んで、
ストークのグッズを買ったのに、まさかのマンU側。
日本やったら、そこまで目くじらを立てられることはないんやろうけど、
ここがヨーロッパだという事を考えたら、身の危険を感じたわ。
っていうか、手荷物検査でストークのタオマフを見つけられたら、
スタジアムへ入場することすらできへんのちゃうん?
まあ、最悪、買ったストークのタオマフを捨てようかなとも思ったんやけど、
一か八か鞄の底に押し込んで、入場ゲート前の手荷物検査へ向かいました。
ただ、ここでラッキーだったのが、
ストークもマンUもチームカラーが赤だったということ。
警備員にタオマフを触られた時、「ヤバい!」と思ったんやけど、
マンUのタオマフだと勘違いしてくれました。
これは危機一髪やったね。
っていうか、あの旅行代理店のオバハン、ぶっ飛ばす。
この試合の席はアウェイゴール裏の、コーナーフラッグの前らへん。
もうちょい真ん中が良かったけど、イギリスはゴール裏でも指定席やからね。
ただ、目の前でファン・デル・サールがGK練習している光景は、
いつも藤ヶ谷と木村がジェルソンのシュートを受けている光景ばかり見ている、
ガンバサポの俺にとって、かなり非日常的で新鮮でした。
試合前のアップの時には、以前チェルシーに在籍していて、
今ストークにいるグジョンセンが、マンUファンに、指をさされながら
「CHELSEA RED BOY!」って野次られていたのが印象的やったわ。
そして、選手入場。
ちょうど俺の目の前のプロムナードから、選手が入ってきました。
前日にロンドンで見た2試合は、あんまりパッとせん試合やっただけに、
スカッとする試合が見たかったんやけど、
やっぱり、ここまでアウェイ未勝利のマンUは動きが良くないね。
っていうか、ガリー・ネヴィルが、
ストークのファンからめちゃくちゃブーイングされてるんですけど。
リヴァプールファンとは前にいざこざがあったけど、
もしかしてネヴィルって、マンUファン以外には嫌われてるのか?
そんなこんなしているうちに、前半27分、対岸のゴールで、
メキシコ人ストライカー、エルナンデスがゴールを決めて、マンUが先制。
遠かったからどうゴールになったんかわからんかったし、
ブリタニアスタジアムのスタジアムMCは、アウェイチームの選手がゴール決めても、
選手の名前は言わないし、オーロラビジョンにも得点者が表示されないので、
マンUファンの「チチャリート」コールを聞くまで、誰が決めたんかわからんかったわ。
そして、ハーフタイム。
選手が続々とドレッシングルームに戻って行く中、
アレックス・ファーガソンは審判に詰め寄って文句言ってました。
相変わらず元気いいよな、このじいさん。血圧上がり過ぎて倒れんなよ。
あと、ファーガソンが目の前におったからかどうかしらんけど、
アウェイゴール裏からは、マンUからの退団を希望しているルーニーに向けて、
「WAYNE、UNITED!!」のコールが発生。
やっぱり、最近、浮気騒動から監督との確執やら、
色々問題を抱えているルーニーやけど、なんだかんだでファンからは愛されてんやね。
そして、後半。
先制点以降の流れで、相変わらずマンUが押し気味に試合を進めるんやけど、
ストークのある選手の登場でスタジアムの雰囲気が一変。
それは先程紹介したグジョンセン…
じゃなくて、トルコ代表のトゥンジャイ・サンリ!!
えっ!?
失礼な話、いい選手ではあるけど、ワールドクラスとも言えない選手やのに、
なんでこんなに人気あんのやろ?
ここから、今まで押されてたストークがリズムを取り戻し、一進一退の攻防に。
目の前で繰り広げられる熱戦に対し、なんと、いきなりマンUファンは、
ジョージ・ベストのチャントを歌い始めました。
「♪WE ALL LIVE IN THE GEORGE BEST WORLD♪」
ビートルズのイエローサブマリンのメロディに乗せて歌うんやけど、
CWCの決勝戦で、マンUファンが歌ってたこともあり、
俺はこのチャントを覚えてたので、一緒になって歌ってました。
ただ、目の前の相手を無視して過去のレジェンドのチャントを歌うのは
どうなんやろと思ってたら、ストークにゴールを決められスコアはイーブンに。
しかも得点者はトゥンジャイ。
歓声で爆発するスタジアム…ほら、言わんこっちゃない。
失点直後、マンUはパワープレーに出て、勝ち越し点を狙うものの、
思うようにいかず、またアウェイでドローなんかなと思ってたら、
先制ゴールを挙げた、エルナンデスが再びゴールネットを揺らし、
マンUが試合終了間際に勝ち越し!!
今度はアウェイ側ゴール裏が歓喜で爆発。
俺も隣におったおじいさんに抱きつかれたり、後ろのおばさんとハイタッチしたりして、
喜んでたんやけど、俺の前列にいたおっさん達が、喜びのあまり、
ピッチに飛び降りて、警官に取り押さえられてました。
…俺、誰かが手錠掛けられるところって、生まれて初めて生で見たわ。
一緒になって飛び降りてたら、俺もああいう風になってたかもね。
そして、試合終了。
マンUはこの試合で、ようやく今シーズンアウェイ初勝利。
それにしても、エルナンデスって良い選手やわ。
スタジアムを出てからは、駐車場から出ているシャトルバスに乗って、
ストーク・オン・トレントの駅まで戻りました。
ここからまたロンドンに帰ったわけですが、
帰りはちゃんと座ることができたので良かったわ。
そして、この日の晩御飯は、グリーンパーク駅の近くにある日本料理屋で、
寿司を食いました。
まあ、イギリス人向けに作ってるからわさびはほとんど入ってないねんけど、
少々値段が張るだけあっておいしかったね。
ただ、ここは1人で来るとこじゃないわ。
クラシックが流れている、高級感溢れる店内で、
サッカー観戦帰りの思いっきりラフな格好で1人で寿司を食うのは、
居心地が悪くて、肩が凝ってしょうがない。
まあ、店員のお姉さんも、そんな俺の様子を察知してくれてたみたいやったけどね。
そして、この日はもうホテルに帰って、シャワーを浴びて就寝。
翌日の昼の便で、帰国しました。
そういや、“霧の都”と言われるロンドンで一回も霧を見なかったのに、
帰国したら、成田空港周辺は霧だったという矛盾。
今回、今までテレビの中の世界でしかなかったプレミアリーグを、
初めて現地で見たわけですが、本当に行って良かったなと思う。
ピッチとスタンドが近く、試合の熱気がダイレクトで伝わってくるスタジアム、
そんな試合のステージとなる、綺麗な緑色のピッチに、チャントが響き渡る観客席、
何と言っても、この国のどこまでも熱いフットボール熱に触れた事で、
またここに来たいと思わせてくれました。
ただ、それと同時に、日本でもサッカーがこれだけ愛される
スポーツになればいいなとも思ったね。
俺も微力ながら、ガンバ大阪や日本代表に声援を送ることで、
その一翼を担いたいなと思いました。
以上で、イギリス旅行記は終わりです。
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